早く起業した方が良いのは「こんな人」

新型コロナウイルスは、今までの働き方に対する大きな変化をもたらしました。大企業に勤務していても将来が保証される訳ではないことが一層明らかになり、未来を見据えた、組織に依存しないキャリアビジョンが必要になってきたのです。

その選択肢の一つが、起業です。以前に比べ、そのハードルは下がってきたように思いますが、組織を離れるのはやはり勇気が必要です。

私自身も48歳で26年間のサラリーマン生活をやめて、8年前に起業しました。その経験から、早く起業した方が良いと思うのはこんな人です(写真は2013年の起業当時のゲスト出演番組の様子)。

1.コミュニケーション能力の高い人
どんなに革新的な事業を立ち上げても、それを広く知ってもらい、価値を理解してもらわないと、売上が立たずビジネスとして収益化できません。自社のビジネスをわかりやすく説明して、その価値を相手に納得してもらうには、高いコミュニケーション能力が必要です。また、一緒に働くメンバーにもモチベーションを高めてもらい、取引先との意思疎通を円滑にするのにも、必須の能力です。

2.楽天的でポジティブな人
起業して、想定通りに順風満帆に事業が拡大する人は稀です。多くは、思い通りにいかなかったり、取引先に冷たくされたり、想定外の環境変化に巻き込まれたりします。うまくいかないことにその度に凹むのではなく、それがが当たり前という位の楽天的な気持ちを持ち続ける。そして、いつかは成功するというポジティブな姿勢を維持するできるマインドがある人は起業向きです。

3.若い人
若ければ思いきりリスクを取って、失敗を恐れずチャレンジできます。年齢が上がれば、しがらみも増え、家族がいたりすれば更にリスクに対して慎重になっていきます。思い切った判断をするのには、年齢が若い方が良いのです。

4.既存の規則やルールに適応できない人
会社で仕事をするというのは、既存のビジネスのルールや秩序を踏襲していくことが基本になります。おかしなことがあっても、それを勝手に変えることは簡単ではありません。そのような不合理なことに適応できないなら、自分で仕事をした方がストレスの無い毎日を実現できます。

5.世の中の問題を組織で解決できない人
仕事とは「世の中にある問題を解決すること」と定義できます。問題を解決することで、その対価を受け取るということです。その問題が、今いる組織では解決できないなら、組織を飛び出して別の会社に行くか、起業するしかありません。

6.自分で最終的に意思決定したい人
組織で仕事をしていると、例えトップに立ったとしても、自分で全ての意思決定ができるとは限りません。小さな組織で起業すれば、自分で意思決定をして、その結果に対しては自分が責任を取ることができます。そう腹がくくれるなら、起業して自分のやりたい方法で事業を進めていく方が良いと思います。

7.社会にインパクトを与えたい人
組織の中で社内ベンチャーを立ち上げ、革新的なサービスによって世の中を変革する方法もありますが、どうしてもしがらみにとらわれてしまいがちです。既存のビジネスの延長に無いジャンプを成し遂げ、社会にインパクトを与えるのは、少数の例外を除けば、やはり起業しかありません。組織から離脱して、退路を断つことによって、思い切った事業を展開することができるのです。

自己分析では、私の場合1と3以外は当てはまっているように思います。

起業も投資と同じで、どうせやるなら若いうちに早くやるべきです。でも、起業には定年はありませんから、遅すぎるという事は無いのです。

誰にとっても今が一番若い。だとすれば、頭の中でモヤモヤ考えるより、まず行動です。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年1月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。