2月1日未明に開票結果が確定した埼玉県戸田市議選(1月31日投開票)で、金髪に特攻服姿の候補者が、912票の得票で初当選した。その名も「スーパークレイジー君」。本名は西本誠氏、宮崎県出身の34歳。20代で上京し、クラブ従業員や介護職員を経験、10代のころは少年院に入っていた時期もあるという異色の経歴の持ち主だ。昨年7月の東京都知事選に「百合子か、俺か。」の鮮烈キャッチコピーを掲げて立候補した時から使っている通称のスーパークレイジー君として、議会活動を行っていくという。
2日はテレビ出演や取材依頼が殺到。メディアも今のところは好意的な論調で取り上げている。
「スーパークレイジー君」議員に当選証書 スーツで出席(朝日新聞)
異色の市議誕生 金髪に特攻服「スーパークレイジー君」(産経新聞)
本人もうれしい悲鳴と市議としての覚悟をツイート。
ネット上でも、
「選挙公報も見たけど、若者に政治に関心を持ってもらう、ということをすでに実現している」
「スーパークレイジー君は、若者に選挙への関心を高める火種や起爆剤になるかもしれん逸材と見ている」
など、政治離れが著しい若者が選挙に関心を持つきっかけになったことを評価する声が多い。
選挙活動中の彼のツイートを追ってみると、小さな子どもたちの心を掴んで、親や祖父母世代に支持を広げていった様子が伺える。若いボランティアも続々と集まってきたようだ。
一見ふざけたような通称だが、戸田市議選での戦いぶりを見ていると、このスーパークレイジー君、実はなかなかの策士なのではないかとも思える。縁もゆかりもない戸田市議選に挑戦したのには、親族や親友が住んでいたという理由以外に、ここなら地道に選挙活動をすれば当選する可能性が高いという票読みと、したたかな戦略があったのではないか。
「売名のつもりだった。軽いノリだった」と本人が振り返る都知事選でも、小池知事が進めてきた殺処分ゼロを意識した政策を提案するなど、真面目な一面ものぞかせていた。
自身の非行歴や職歴を武器にして、市の教育問題、青少年の非行問題に取り組むと、良い政治家になるのではないか。
選挙戦を通じて、若者の政治への無関心を痛感したというスーパークレイジー君。若者に目線を向けた異色の市議は、政治離れが叫ばれて久しい現代日本の救世主になれるだろうか。