TOKYOスマートシティ CiP、参上。

TOKYOスマートシティフォーラム」@東京ポートシティ竹芝から配信。

東急不動産岡田社長、ソフトバンク宮城統括部長、東京都米津部長、慶應義塾大学石戸教授らと登壇しました。

ポップ&テック特区CiPについてのわがプレゼンを報告します。

CiPContents innovation program。コンテンツの集積地を作る構想、8年。

東京は世界のポップカルチャーの中心地だが、発信する拠点がない。業界もバラバラ。ぼくも問題意識を持っていました。

政府でも、クールジャパンや知財・IT政策の観点から議論が進められてきました。ぜひやろう。

東京に作ろう。

経済面でも文化面でも世界最高だから。

リチャード・フロリダ「クリエイティブ都市論」。経済規模で広域東京圏が世界トップ。

最も創造的な都市を聞くアドビ調査で世界一位。

ミシュランの星付きがパリの3倍あるダントツ。

グローバルファイナンス誌「住みやすい都市」で世界首位。

近くに東京タワーがある。

よくこわされるが、今も立ってる。

1961年モスラ。64年キングギドラ。66年ガラモン。ゴジラは2003年まで50年もがまんした。が、壊した。

こわれても作り続ける。ずっとこわして作ってきた。これが凄味。

これからも、こわしてつくる。

ここ竹芝も、こわしてつくった。

なにしろ東京には海がある。海を持ってる首都なんです。 

ワシントンロンドン、パリベルリン、ローマ、オタワ、北京にモスクワ。

G7も常任理事国も海を持ってる首都はない。 

日本は海を首都にしたのに、海をうまく使ってない。

ぼくらは海を使おうよ。 

竹芝は、そんな魅力があった。

同時に重要なのは、テクノロジーとの融合。

AIIoTの大きな波が来る。コンテンツも大波を受ける。

ポップとテックを融合した国家戦略特区。既にあるコンテンツではなく、テクノロジーで新しいコンテンツを生む街にする、というのが基本コンセプト。

ポップとテックの特区。

ポップテック特区CiP

ヒトコトで言えば、初音ミクのような街を作りたいと考えました。

ボーカロイド・ソフトウェアというテクノロジーと、ミクちゃんというポップなキャラが融合したものが初音ミクであり、それをみんながネットのコミュニティに参加して、曲を作ったり演奏したり踊ったりして育てた。

そんな街。

 

スタートに当たり、CiPビジョン10か条を作りました。

・シリコンバレーとハリウッドの日本版融合

・コスプレが集いロボットが飛び交う基地

・新産業創出の永久機関

・国際的大学と未来の幼稚園

・クリエイターと起業家の同棲

21世紀の出島

・産学官のプラットフォーム

などです。

 

 

CiPの機能は4つ。

研究開発、人材育成、起業支援、そビジネスマッチング、生まれたテーマを研究、というサイクル。

研究からビジネスまで一気通貫で行う場。

通信、放送、IT、エンタメ、広告、などの業界団体や企業50社に、慶応や東大、理研など大学・研究機関も参加して街づくりを進めました。

 

 

 

街開き前から幾つものプロジェクトが走っています。

ポップ系では、音楽などアーティストのデータベースを整備するアーティストコモンズ。

人機一体で誰もが超人になれるスポーツを作る超人スポーツ。

オタク研究者の総本山、世界オタク研究所。

 

テック系では、竹芝に先端技術をまるごと実装する企画を進めてきました。

ロボット、ドローン、モビリティ、サイネージ、パブビュー、デジタルアート、ワイヤレス給電、データ流通という8つの軸。

数百体のロボットが仕事する。ドローンタクシーが5Gで飛ぶ。通信・放送融合の世界初IoT放送。

ロボット、サイネージ、データ流通などは街開きと同時に既に実装されて動いています。

ドローンや無線給電も可能性が見えています。

ここまでまとまって動くスマートビルは世界にも例を知りません。

ソフトバンクとも連携して、5GAIIoTを展開します。

このモデルを国内・海外に横展開したい。

当ビルの8Fに産学連携の拠点を設けます。

慶應KMDがサテライトとして使うほか、私が学長として4月に開学したiUもここをサテライトとします。

デジタル時代の子供の創造力を高める活動をしてきたNPO CANVASも同居します。

 

教育改革を進める「超教育協会」もCiPを拠点とします。そのプロジェクトも走り始めました。

eスポーツに熱心な学校と研究者のコミュニティ「超eスポーツ学校」。

起業に熱心な学校と起業家やVCをマッチングする「超起業学校」。

CiPファンドも設立して、既にコンテンツ系4社に出資しています。

 

9月の街開きでは無観客で無音のロック配信イベントをこのホールで行いました。ドローンを飛ばしての撮影も。アフターコロナのエンタメのモデルを示せたと思います。

熱心にご覧になっていた平井卓也デジタル大臣は、ここをデジタル庁の支部にしたいとおっしゃる。

協力すべく設計中です。

 

これを横展開したい。

各地で構想中の拠点を全部つなぐポップテック列島作りに進みたい。

名古屋では大村愛知県知事主導で巨大な起業支援の施設「ステーションAi」構想が動いている。CiPがそのコミュニティ形成の役目を担います。

ソウル、バルセロナ、上海など海外の都市とも提携を進めています。

ショウケースとして、来年のオリンピックに合わせ、ポップ&テックのイベントを開催します。

海外のポップ・テック系イベントを超える世界的なイベントに育てていきたい。

名称を「ちょっと先のおもしろい未来」英語では「Change Tomorrow。」略称「チョモロー」。

7月3・4日です。

さて、第4次産業革命。Society5.0

人工知能とロボットが仕事を奪ってくれます。彼らに仕事を任せよう。

「超ヒマ社会」が来ます。

明治・大正・昭和・平成という、近代の起承転結に区切りをつけ、人類が立ち入ったことのない新文明が幕を開ける、それが令和。

そのために必要なのがCiPです。

しかしコロナで状況が変わりました。

コロナ後にどうなるのか。

新しい集中と分散。新しいリアル+バーチャルの掛け合わせ。新しい密。を設計しなければならない。

そのニュー・ノーマルを、コロナ前より魅力的な環境として作る。

これはCiPにも課せられた宿題です。

14世紀のペスト。協会の権威が下がり、産まれたのがルネサンス。芸術と科学。

コロナが再生するものは何か。

ポップ・テック特区の整備、

AI・ロボットの超ヒマ社会の設計、

コロナ後のニューノーマルの構築、

そこからの新ルネサンス。

CiPに課せられたテーマです。

よろしくどうぞ。


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2021年3月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。