世界 120位、日本のジェンダー・ギャップをどうする!?

田原総一朗です。

3月31日世界経済フォーラムが、
「ジェンダー・ギャップ指数」を発表した。
日本は前年より1位上がったが120位。
上位は、1位アイスランド、2位フィンランド、
3位ノルウェーと北欧諸国が続き、
アメリカは30位。
日本は、102位の韓国、
107位の中国より下位であり、
先進国中最低水準だ。
なぜこんなに低いのか?

分野別で見ると、
日本は管理職の女性比率や
勤労所得の男女差が大きく、
経済分野は117位。
そして政治分野はなんと147位。
衆院議員の女性比率は、
わずか9.9%にすぎない。
G7では最低である。

世界を見わたせば、
イギリスのサッチャー元首相、
ドイツのメルケル首相、
韓国の朴槿恵前大統領、
アメリカでは女性初の副大統領ハリス氏と、
女性政治家の活躍は当然のことである。
最近では新型コロナ対策に成功した、
ニュージーランド首相アーダーン氏が話題となった。

日本がここまで下位である要因の一つは、
「男女同権」「男女平等」といいながら
「子育ては女性の仕事」という意識がまだまだ強いことだ。
日本には、「M字カーブ」という言葉がある。
女性の労働力率が、
結婚・出産期に当たる年代に一旦低下、
育児が落ち着いた時期に再び上昇するため、
「M」の字曲線になるのだ。
一旦キャリアが途切れるため
再び働き始めても、
低賃金になりがちという問題もある。

多くの先進国では男女が、
フィフティフィフティで子育てに取り組んでいる。
男性が育児休暇を取ることが
ニュースになるのではなく、
当たり前の社会にならねばならない。
もちろんそのためには、
男女問わず社会全体の
「働き方」を考える必要がある。

菅内閣は早急に、
議員や閣僚、また企業の役員などの
一定数以上を女性に割り当てる
「クオータ制」導入を検討するべきだ。
また、2018年に施行された
「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」では、
選挙候補者ができるだけ男女同数になることを目指している。
この目標を強化すべきだ。

JOC臨時評議員会における
森喜朗さんの発言は、
国内外から批判を浴びた。
僕は「男女平等」は当然だと思っているし、
仕事上でも男女の差は一切なく
実力次第だと考えている。
ただ、自戒を込めて言えば、
森さんやぼくらの世代は
「男は・・・・・・」「女は・・・・・・」という見方から、
抜け切れていない部分があるのだと思う。

4月、多くの若者が
社会人としてスタートを切った。
僕もあらためて、
気持ちを新たに
進んでいきたいと思う。


編集部より:このブログは「田原総一朗 公式ブログ」2021年4月9日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいた田原氏、田原事務所に心より感謝いたします。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、「田原総一朗 公式ブログ」をご覧ください。