今週のつぶやき:不安感一杯の菅政権ほか

紀州のドンファンこと、野崎幸助氏の不審死に関し事件から3年も経ってようやくモデルで元妻が逮捕されました。何と申し上げたらよいのか、このおじん、ここまで楽しい生活をしたのなら「ドンファンの本懐」ではないかと思います。しかし、金とオンナって何でしょうかね?貧乏人はモテないのですかね?とすると小室さんがそんなに愛される理由は何なのでしょうね?世の中、不思議だらけです。

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では今週もつぶやいてみます。

日本株は下値固めから上昇できるか?

決算発表のさなか、ゴールデンウィークが挟まるので正直、判断しにくいところですが、金曜日の東京市場を見ていると決算発表を受けて好反応と失望感を誘った銘柄が両極端にみられます。ただ、投資家目線は22年3月期に入ってきており、V字回復ができるかが焦点です。ANAがかろうじてながら黒字見込みと発表したのは好感されるでしょう。

為替が円安に振れているのも後押しするはずです。4月20日の「円安ドル高の不思議」の項で円ドルの理論値と実態の間に14円の差があるが、それは実勢レートが理論値に近づくというより理論の前提条件が違っていて実勢の円安要因の方が大きいのでは、と申し上げました。為替の専門家ほどあてにならないものはないのですが、円安方向を予想するプロは多いのです。これは一応株高材料となります。

アメリカの株価が上昇しにくくなっており、アメリカから海外市場に資金を振り向けるケースも出てくると思います。個人的には日本株は中期でもう一段上げてくると思います。北米市場は指数上は悪くないですが、個別は引き続き扱いにくい相場つきとなりそうです。カナダは景気回復感が実態と共にこれから2カ月ぐらいのうちに出てきますのでポジティブだとみています。資源、特に銅相場は異次元の世界に行くとみています。

不安感一杯の菅政権

安倍前総理と比べてしまうからでしょうか?自民党支持の私としても菅総理の手腕はこれ以上期待できないとみています。人には「器」があり、向き、不向きがあるのです。菅さんは陰でいろいろやる策士やフィクサー型のタイプでトップで表の顔になる人ではありません。官房長官時代の話も個人的にちょくちょくいくつかのソースから耳にしていたのですが、裏側にいる菅さんにはチカラがありました。今はソフトな四面楚歌になりつつあります。派閥に属していないというより仕事を他人に任せないので閣僚が自分の範疇の仕事しかしないのです。

菅さんを総理に押し込んだのは二階さんでありますが、二階さんの眼識の賞味期限はとっくに過ぎています。秋の選挙で自民党が安定地盤を得るほど勝ちたいならリフレッシュするしかないと思います。極端な話、その前の総裁選で自分は立候補しないと早々に宣言してしまうのもアリです。私が最近一番がっかりしたのは緊急事態宣言を再度発出したことに菅総理が「詫びて」国民に答えたことです。昔の侍なら腹切りものですが、詫びなんかよりどうするのか、矢継ぎ早の機能する対策とリーダーシップがほしかったです。

そういえば首相になりたい野田聖子氏のご主人が新潮社を相手取った名誉棄損裁判で「元暴力団員」(指定暴力団・会津小鉄会の昌山組)にいたと「箔」をつけられてしまいました。これで野田氏の首相の芽は99%なくなりました。有力候補がいないと言われますが、実は安倍さんが病気からはかなり回復しており少しずつ表舞台に出てきている点は要注目です。安倍さんが再度立つとは思いませんが安倍さんが「自民党のワクチン」として何らかの救世主役をすることが必要かもしれません。

全員が同じ道を選ぶなら 自分は別の道を行こう

これは最新号の日経ビジネスの「有訓無訓」に掲載されたスイスIMD前学長のドミニク テュルパン氏の記事のタイトルです。過去約25年ぐらい同誌を広告以外全ページ読み切っている者として記事の良し悪しは一目でわかります。この「有訓無訓」もハッとするのは10回に1回程度ですが、今号の内容は非常に勇気づけられたと思います。編集長も代わったばかりで編集内容には必ず色が出るのですが、期待をしましょう。

さて、そのテュルパン氏は家系が起業家ばかり、そして彼の人生の道筋も誰か道案内人がいてそこをフォローするのではなく常に切り開いていったそうです。先人がいないのですから自分が好きなように暴れられます。私も私のビジネスパートナーもその点が似ていて、破天荒、無茶苦茶、失敗は経験の積み上げにして更に難しく険しい山登りチャレンジをし続けるのです。日本はその点、成功者をフォローする傾向が非常に強く、その人を「師」として仰ぐのですが、それでは「師」を越えられないということに気がついてほしいのです。

たとえば稲盛和夫氏が「盛和塾」を解散させたのはなぜか、といえば自分の意志とは別に勝手に祀り上げられるのが嫌だったのではないかと思うのです。「盛和塾」は名前を変えて各地で継続していますが、それは稲盛氏が本心で求めたわけではなく、解散の時点で塾生も卒業というメッセージだったのではないでしょうか?日本に開拓精神が足りないと思われるのはごく一部のリーダーを強くフォローする歴史的背景が強いからだと思いますが、今は自分の足で一歩、世界に踏み出してみる勇気の方が大事だと断言します。

後記

日本では公園やコンビニそばでの立ち飲み問題がいろいろ言われていますが、カナダでは基本的に公共の場での飲酒は禁じられています。(もちろん、それでも飲む人はいます。)いわゆる夜の店もないので酒は食事のお供でしかないのです。(もちろん、お酒が主食の人もいます。)日本の飲酒ビジネスがジェンダー平等も手伝って今の半分規模になったらどうなるでしょうか?良い意味で質的変化を起こす気がします。私はいくら何でも立ち飲みとか公園飲みの世代ではないのでそこまでしたい気持ちは湧かないですが、今の40代から下の方はコロナ前からそれがメンタル的に受け入れられた基盤があったことが今回の話題と関連するのではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2021年5月1日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。