ワクチン接種を拒めない医療介護従事者たち --- 野地 律子

私の住む市町村でも医療従事者から順にワクチン接種が行われています。看護師の娘(24才)を持つ知り合いの母親(48才)は言います。

「ワクチン大丈夫なん?」

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真意はこうです。私たち世代は、子どもを生み育て人生も残すところあと半分を切っています。コロナ騒動が納まるのであれば、多少の難があってもワクチンを打ちましょう。けれども、子世代は人生これからです。今から結婚出産と大きなイベントが控えているのに、人類史上初のワクチンなど打ってこの先の人生に影響はないのだろうか、と。

娘さんの勤務先の病院では、任意にも関わらず、接種意思の確認などないまま日程が組まれ、ワクチン接種を断われる様な雰囲気ではなかったそうです。

娘さんご自身も、「自分発信でクラスターが起きるのが怖い」「気兼ねなく友だちと遊びに行きたい」などの思いから、断るつもりもなかったそうです。

私の勤務する介護施設では、ワクチンを疑問なく接種する職員が約8割、疑問はあるが仕方なく又はアレルギー体質であるが約1割、疑問があるので接種しないが残りの約1割です。

疑問があるので接種しない職員は、個々に看護師長に呼び出され、「なぜ受けないのか?」「今受けないとファイザーが足りなくなるかもしれないけど本当に良いのか?」「施設内クラスターが起これば原因として非接種者が疑われることもあるが大丈夫か?」などを聞かれたそうです。

ここで一つ言っておきます。この看護師長さんは真面目でとても良い方なのです。恐らく、本気で心配してくれているのだと思うのです。

30才以下のコロナ死亡率は0%です。そして、周りの陽性者を見ても、若い方の間で起こるクラスターはほとんどが無症状です。しかし、ワクチン接種による副反応は若い方ほど顕著というデータがあります。

私はワクチンが悪いと言っている訳ではありません。私も接種します。私が問題にしたいのは、打ちたくないという意志の職員に対して、打たせようとする力が悪気なく働いているということです。

若者にとっては、コロナ感染よりもワクチンの副反応の方が重症になる可能性もあります。接種を断った職員の中には、役職者の言葉によって接種に転じた者もいます。しかし、その職員に重度の副反応が出たとしても、それは職員の自己責任となるのです。

歴史を見ても、それまで良かれと思っていた事が一夜にして悪になることがあります。勿論その逆もあります。上司の指示に従うことは必要ですが、事の重さによっては、自分で情報を取り、自分の頭で考え、強い意志を持って行動する必要もあります。

特に、未来ある若者の皆さんには、周りがどの様に言おうがそれは参考程度に留め、高齢者の寿命をあと少し延ばす事よりも、これから先の自分の人生を優先し、周りに流されることなく自分で考え、納得した上で行動して欲しいと思うのです。

野地 律子

特別養護老人ホーム勤務。介護福祉士(パート職員)。介護施設勤務勤続10年。兵庫県出身団塊ジュニア世代。夫と中高生3人の5人家族。趣味は漫才や音楽のライブに行く事。


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