「令子様、お願いです。コロナワクチン一般医療者への予約サイトがダウンしてしまい、頼みの綱の電話は全くつながりません。」
先週月曜日(5月3日)、切羽詰まった様子で、議会活動でご協力を賜っている医師であり、元参議院議員の薬師寺みちよ先生からSNSメッセージが届きました。
すぐにピンときました。東京都の医療者向けワクチン予約サイトがダウンしていたからです。
「現在、WEBでの予約受付を中止させていただいております。大変申し訳ございませんが、お電話での予約をお願いいたします。あらかじめお送りしている通知に記載の番号(予約コールセンターの電話番号)へおかけください。※予約や予約システムについて各医療機関へ直接お問い合わせいただくことはお控えください。」
と、このHPつまり福祉保健局が言明してますが、都内医療従事者は60万人、これでは全く追いつくわけがないと危惧をしていました。
27万人の個人情報、閲覧可に ワクチン予約サイトを停止―東京都 時事通信2021.4.27
<新型コロナ>個人情報を閲覧できる不具合が判明 東京都が医療従事者向けワクチン接種予約システム一時停止 東京新聞2021.4.28
リアルで切実な医療現場の声が届く
医師として国会議員として病院現場と医療政策に精通された薬師寺先生の切実な訴えは胸をうつものでした。
「私も東京都内でワクチン接種のお手伝いをいたしておりますが、自分自身は打つことができないのに矛盾していないかとの声が医療者の間で多く上がっております。平日は我々医療者は電話やネットに向かっている時間がございません。サイト復旧の見込みがないのであれば、オペレーターの人数を増やす等早急な改善をお願いします。
予約診票をもっていても予約が出来ねばただの紙切れです(涙)よろしくお願い申し上げます。
我々医療者にはネットか電話かしか予約方法が示されておりません。
サイトがダウンしているため、電話のみ。
私も連日百回以上は電話しておりますが、全くつながらない状況です。
直接医療機関に連絡してご迷惑になってもなりませんので、皆正直にこの方法を守っております。
我々が接種に回り、コロナを拡大させてしまうことにつながる恐れもございます。
想定内のトラブルだと思いますので、何卒早急な改善をお願い申し上げます。」(※薬師寺先生の快諾を得て掲載しております)
サーバーダウン情報が入って来てから、懸念をしていたことが現実のものとなりました。
都議として気になる点を確認するのは日常業務の一環としていますが、現在有事で激務の担当部署には可能な限りの連絡を控えておりました。
が!
実際に現場の声が届いたらこれは一大事!!
東京都福祉保健局に急ぎ確認するも
薬師寺先生の声を受けて、ゴールデンウィーク中ではありましたが、「働き方改革を配慮してますので、対応できるタイミングでのお返事を」と前置きして以下確認をいたしました。
お姐「同様の問い合わせやご相談、苦情は江戸川区開業医やクリニックからも寄せられており、かねてよりワクチン接種スケジュール確認などさせていただいてたところです。まずはダウンしているネット予約と繋がらない電話予約のトラブル解決の目処はどうなっているのでしょうか?また、医療者ワクチン予約サイトはどちらにどのような形でいくらで委託しているのでしょうか。お聞かせ下さい。」2021.5.3 10:44am
福祉保健局感染症対策部「お世話になります。ご質問いただいた件、確認して担当よりご連絡いたします。」 2021.5.3 10:52am
休日返上で業務をせざるを得ない部署なのかすぐに幹部職から返信がきました。
その後、数日経って担当者から以下返事がきました。
福祉保健局感染症対策部「このたびは、ワクチン接種予約システムの不具合によりご迷惑をおかけしており申し訳ございません。
1.予約システムについては、5月10日の週の復旧に向け、作業を進めております。
2.話予約コールセンターについては、5月1日より35回線から50回線に増やしております。
今後、さらなる回線増強や受付時間の延長について検討してまいります。
3.予約システムの構築・運用業務は、競争入札により、「株式会社デジタルガレージ」に
16,506,875円で委託(約1千6百万円)しております。」2021.5.6
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普通に考えても、医療者は勤務中は電話出来ません。
この連休中こそが、ネット予約する大切な時間だったはずが、医療者60万という単位の電話に対し、わずか15回線増やして50回線では全く足りなかったというわけです。
ゴールデンウィーク明けの「5月10日の週の復旧に向け、作業を進め」られても焼け石に水すらにもならりません。
前述したように、都のHPにはネットか電話で予約し、直接病院へは連絡するなと求めており、病院にかけると迷惑だと同業者だから分かっているため、皆そこは回避して下さっているとのことで、意識の高さに頭の下がる思いで、お姐はフツフツと怒りがこみ上げてきたのでございます。
小池知事・宮坂副知事鳴り物入りの“DX戦略”の滑稽さが浮き彫りに
世界最速で進む超少子高齢化都市東京のデジタル化もいいけれど、「今はデジタルより人」それよりもやるべきことがあると、ヨコモジ・カタカナ事業満載の小池都政予算にお姐はずっと警鐘を鳴らし続けてきました。
令和2年東京都予算案に苦言を呈します 2020.1.24
令和3年度贅肉だらけ小池都政予算に物申す!! 2020.2.1
東京都は本年4月デジタルサービス局を設置し(お姐は反対しました)「TOKYO Data Highway基本戦略」「官民連携データプラットフォーム」「デジタルツイン実現プロジェクト」などなど…都民生活の何に役立つかさっぱりわからないDX(←デジタルトランスフォーメンションの略らしい。知らんけど)戦略に莫大な労力も税金もかけて打ち出しておきながら!
命がけでコロナと戦う医療従事者の皆様の接種手続きの要となるネット予約のサーバーがダウン??
情報漏洩???
ハイウェイだかツインテールだかしらんけど、医療者ワクチンサイトの方がどう考えても先で、とてつもなく重要で絶対に失敗しちゃいけなかったんじゃないのでしょうか!!?
「現在、WEBでの予約受付を中止させていただいております。大変申し訳ございませんが、お電話での予約をお願いいたします。」(都の医療者ワクチンHPより)
こんなことになるなら、こんな直ぐにダウンするようなシステム最初っからいらなかったのではないでしょうか??!!
しかもこの期に及んで
DX推進実証実験プロジェクトを募集しとるのです!
【応募要件】
(1) 革新的なアイデアとそれを支える新技術をベースとしたビジネスモデルにより、新たなビジネス領域で成功し、急速に成長することを志向するスタートアップ企業であること。
(2) 応募時点で原則として創業後10年を超えていないこと。
(3) 東京において事業展開を行っている、又は行おうとしていること。【募集期間】
令和3年4月28日(水)から令和3年5月28日(金)17時まで
小池知事のイエスマンベンチャー企業頼みの東京都“DX戦略”姿勢はおいといて!
実証実験よりもやるべきことがあるだろう!!
そしておそらく、このプロジェクトのサーバーはダウンしないのでしょう。
総括
小池都政CM他広告費12億円を惜しみなく使えるなら、命に係わる医療者ワクチンサイトへ千六百万円ではなく決してダウンしないような資金を費やすべき!!
あえていおう!
小池都政DX戦略は
デジタル無策であると!
編集部より:この記事は東京都議会議員、上田令子氏(江戸川区選出)のブログ2021年5月9日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は上田氏の公式ブログ「お姐が行く!」をご覧ください。