オリパラ観戦反対!?子どもに寄り添えない世田谷区長

世田谷区議会では第2回定例会の代表・一般質問を終えた。最も注目されたのは、区のオリンピック・パラリンピックにまつわる一連の準備状況についてだったろう。わが会派(無所属・世田谷行革110番・維新)だけでなく、立憲民主党、共産党といった区長与党からも、その姿勢が質された。

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世田谷区は馬事公苑が馬術競技の会場となっているほか、大蔵運動場は米国選手団のキャンプ地となっている。PCR検査からはじまり、ワクチン接種にいたるまで、自分の“世田谷モデル”の失敗は棚に上げ、とにかく政府批判ばかりしている保坂区長は、区民に対して何ら情報発信をしていない。

立民と共産議員からあった、区内の小中学校に通う子どもたちのオリパラ観戦を中止すべきだ、との指摘に、区長は「教育委員会とも意見交換をしているが、従来株と違い英国株、インド株の脅威は子どもに及んでいること、公共交通機関の利用リスク、熱中症対策等の観点で現在の状況で実施するのは大変困難で厳しい」と答弁。観戦に反対である姿勢を示した。

子どもたちが直接、オリパラを観戦できるという、一生に一度あるかないかの絶好の機会をたやすく潰す姿勢は、中学校の修学旅行や成人式をはじめ、あらゆる行事をことごとく中止にしてきた短絡思考の延長線上にある。修学旅行一律中止については、保護者から疑問の声が巻き起こり、これを取り上げたわが会派の反対で撤回されたから良かったものの、一連の区の対応は“教育ジャーナリスト”を自称してきたわりには、子どもたちの心にまったく寄り添えない区長の姿が明確に立ち現れている。

政府は大会の観客数の上限を1万人とするようだが、感染予防を徹底すれば子たちの観戦も可能ではないのか。そこに全力を注ぐのが区長の仕事のはずである。今こそ、子どもたち全員にPCR検査を行うなど、お得意の“世田谷モデル”を実施したらどうなのか? もちろん、感染を恐れる子どももいるだろうから、観戦の出欠については自由にするなど配慮は必要だろう。

たとえ、感染が拡大し無観客となったとしても、無観客ならなおさら、安全に子どもたちだけで観戦させられるのではないか。頭ごなしに何でも中止にする保坂区長に、まったくもって子どもたちへの愛情が感じられないのは、私だけではないはずだ。

もっと言えば、立民や共産議員が言うように、観戦を中止するのであれば、周囲の顔色を窺ってだらだらやらず、速やかに堂々と関係機関に決断を促すべきである。安全地帯から政府批判ばかりやっていないで、92万人の長として、自分の考えを貫いたらどうなのか。政府や都と闘いもせず、いつまでも評論家をやっているなら、さっさと区長を辞めるべきである。適任者はいくらでもいる。