西村宮内庁長官（NHK NEWSより）
西村宮内庁長官が24日の定例会見で、以下のように述べた。
「天皇陛下は現下の新型コロナウイルス感染症の感染状況を大変ご心配されておられます」
「国民の間に不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大に繋がらないか、ご懸念されている、心配であると拝察いたします」
「私としましては、陛下が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックで感染が拡大するような事態にならないように、組織委員会をはじめ、関係機関が連携して、感染防止に万全を期していただきたい」
ただし、長官は「拝察です。日々陛下とお接しする中で私が肌感覚として受け止めているということです」といい、「私の受けとりかたですから。陛下はそうお考えではないかと、私は思っています。ただ陛下から直接そういうお言葉を聞いたことはありません。そこは誤解ないようにお願いします」としている。
また、「私はそう拝察し、感染防止のための対策を関係機関が徹底してもらいたいとセットで」といっているわけだから、五輪の中止を求めているわけでないし、それをあたかも、陛下が五輪の中止を求めているように報道することは、歪曲報道に他ならない。
しかし、歪曲報道されることくらいは、予想の範囲内なのだし、歪曲報道される可能性があるとしても長官が発言しなければならない場面でもないから、不適切発言としかいいようがない。
この長官は、あの小室圭氏の弁明文書について、「理解できた」という発言したと擁護発言して非難囂々となったことの反省もしていないのだろうか。
私は、これは尾身茂コロナ分科会長の意見表明と似ていると思う。政府が非常に困難な局面で神経を使いながら決断をしているなかで、尾身会長は「医療界の意向を踏まえて自分が決定に参画したわけでない」と逃げを打った。宮内庁長官も陛下が名誉総裁を務められる五輪が感染拡大につながったと万が一でも批判されないように保険をかけたということかもしれない。
ただ、この長官の心遣いが陛下の立場をよくするかは疑問である。コロナ禍が始まって以来、両陛下のプレゼンスは極端に少ない。エリザベス英女王が国民を励まし、率先してワクチンを接種されるなど国民を鼓舞するようなかたちでイメージアップに成功されているのとの対比においても疑問を感じる。
もちろん、皇后陛下の体調にコロナ禍は微妙な影響を与えていることも背景としてあるようで、長官としても両陛下の諸行事への参加を最低限のものにしたい、そして、感染防止を口実にしたいという気持ちも反映されているのかもしれない。しかし宮内庁長官はこの前は小室圭のあの噴飯物の文書を絶賛したりしたばかりでちょっと心配である。
【参考】
昨年、12月日のお誕生日に発表された「皇后陛下のお誕生日に際しての医師団見解」では、
「皇后陛下におかれましては、昨年も医師団が説明いたしました基本的な考え方を踏まえながら、引き続き御治療を継続していただいております。
（中略）
皇后陛下がこのように工夫を重ねられ、御体調を整えられながら御活動を続けるよう努力していらっしゃることは、御治療にあたらせていただいている医師団としても、御自信につながる望ましいことと考えております。一方で、これまでも繰り返し説明して参りましたように、皇后陛下には、依然として御快復の途上にあり、御体調には波がおありです。そのため、大きい行事の後や行事が続かれた場合には、お疲れがしばらく残られることもあります。過剰な期待を持たれることは、今後の御快復にとって、かえって逆効果となり得ることを御理解いただければと思います」
としている。
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