西村康稔経済再生担当大臣は、8日の記者会見で、緊急事態宣言発令を受け、酒類を提供する飲食店が休業要請に応じない場合は、その店舗情報を金融機関に提供する考えを明らかにしました。
この政権の迷走ぶりに、与党への人心もいよいよ離れてしまったようです。
翌9日に、菅首相は記者会見で、「どういう発言をされたか承知していない」と断ったうえで、「優先的地位を乱用することにつながらないか」という質問に対し、「西村氏はそうした趣旨での発言は絶対にしないと思う」と述べました。
これに対して、さっそく共産党議員の方から「そうした趣旨」への指摘が入りました。
政治的立場を問わず、政府による恫喝以外のなにものでもないという指摘が多く聞かれるようになりました。
こうした批判から、「そうした趣旨」があるかないか曖昧なまま、9日午前の会見で加藤勝信官房長官はこの方針を撤回すると述べました。「発言」は一日での撤回となりました。
政府与党内でなにが起こっているのでしょうか。この一連の流れを巡っては、さまざまな憶測が飛び交っています。
国税庁から販売事業者へ休業要請に応じない飲食店との取引停止の依頼が届いているようです。もはや「要請」の域を超えているという声が上がっています。
西村大臣は発言を「撤回」しましたが、その意思決定プロセスや与党内のガバナンスの検証が必要です。