「一日一食」はダイエットに逆効果?

最近増えたなと思うのは、一日一回しか食事をしない人たちです。

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ディナーで「今日は、これが初めての食事です」という人に会うことが、とても多いのです。

会食では、心おきなく好きなものを好きなだけ食べたい。でも、ウェイトコントロールも気になる。だから朝と昼を抜いて、総摂取カロリーを抑えることにしているのだと思います。

しかし、食事の回数を減らすと、ダイエットできるのでしょうか?

一日一食にすると、基礎代謝が低下する可能性があります。摂取カロリーが減ると、その少ないエネルギーで生きていけるように、体が順応しようとするからです。

また、摂取するエネルギーが不足すると糖新生(とうしんせい)によって、体内脂肪ではなく筋肉が分解されてしまうそうです。体が飢餓状態だと感じると、大量のエネルギーを消費する筋肉の動きを抑えようとするからです。

さらに、カルシウムのようなミネラルも補給されないと、骨を分解してエネルギーを補うリスクもあるそうです。

食事の回数を減らして、エネルギー不足になって、筋肉量が減って骨密度が下がってしまうのは、体に良いとは思えません。

また、体が飢餓状態になると、逆に脂肪をため込みやすくなり、リバウンドしやすい体になってしまうデメリットも指摘されています。

空腹の時間が長く続いた後、一気に満腹状態になると、血糖値が普通よりも上昇しやすくなります。血糖値が急上昇すると、インスリンが大量に分泌され、糖を脂肪に変える働きから、脂肪がつきやすくなってしまうそうです。

一日一食で短期的にはウェイトコントロールできたとしても、体質が太りやすく変わってしまえば、長期的にはリバウンドのリスクが高まります。一時ブームになったファスティング(断食)とよく似ています。

そもそも、食事の回数を減らすのは、大きなストレスです。効果があるとしても、あまりやってみたいとは思いません。

健康的な体を維持するために、何がよくて何が良くないのかは、科学的に白黒ハッキリしないこともまだたくさんあります。

一日一食に関して、私は否定的ですが、素人考えかもしれません。今後の専門家の方の実証分析をフォローし、自分の考えていることが正しいのかどうか確認していきたいと思います。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年7月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。