フジロック行くの、やめた。すでに宿もキャンセルし、払い戻し対応も行った。残念だが、しょうがない。
実に16年ぶりに参加する予定だったのだ(ちなみに、私は”参戦”という言葉は嫌いな人だ)。
仕事との両立が困難で。金、土と参加する予定が、土にテレビ出演、日にオープンキャンパスが入り。それでも、金だけは参加して土の午前に帰京できると思っていたが、感染症対策的にも、体力的にも厳しいだろう、と。特にオープンキャンパスを前に、感染リスクが高いことをしちゃダメだろう、と。いや、もともと、教育者として、これはダメだろう、と。直前になって、冷静になった。
もともと、フジロックはハードルが高く。苗場までの移動する時間やお金がかかる。苗場は、晴れていると気持ちいいが、必ずしも快適ではない。すぐに天気が崩れるし、寒暖差も激しい。過去に4度フジロックに参加しており、そのうち2回は苗場に移ってからだったのだが、正直、なかなかの苦行だった。
ファンの人は「最高の空間ですよ」というのだが、フジロック信者たちのSNS投稿で何かこう面倒くささのようなものを長年、感じていたのも事実で。なんせ、サマソニ派で。
そういえば、野外で生活するような備えも十分にはもっておらず。
ただ、これらを乗り越えるくらい、今年の国内勢しばりのラインナップは魅力的で。なんせ、高校の同期が在籍している(初期には2人いた)DACHAMBOが久々に登場。20周年だし。そういえば、16年前にフジロックに行ったのは、彼らが初出演を果たしたからだった。
他、20年ぶりに復活したAJICO(僕は浅井健一に髪型が似ている、というか真似している)。これもお目当てだった。
最近はハマっているTempalayにAAAMYYY、勝井祐二パイセンのROVO、高野寛と原田郁子のユニット・・・。
さらには、メタル界からの刺客MELT4など、みたいバンドがいっぱいで。越後湯沢の宿も楽しみだった。
フジロックの運営側は、頑張っている。抗原検査キットの提供、払い戻し対応、観客数やステージの見直しなど、かなり踏み込んだコロナ対応をしている。ただ、私はまだワクチン接種もできておらず。感染も新たな局面に入っており。
同イベントをめぐっては、今後も賛否を呼ぶだろう。果たしてやるべきなのか、と。そうそう、こんな局面でフェスに行っても楽しめないだろうと思ったのも理由の一つだ。感染者が苦しんでいる中、医療機関が逼迫している中。普通の単発のライブと、越境して人が多数集まるフェスはまた異なり。
さて。音楽に関係なく、何を大切にするのかが問われている。さらには、何がよくて何がダメなのか。
五輪は?甲子園は?夜中までお酒だして営業しているお店もあるの?テレ朝社員はカラオケでオールなんだ?テレ朝の件はおっさんたちかと思ったら、若い社員たちで、バブル期の古い飲み方をしていてひいたけど。
何を信じていいのか分からない時代だ。だんだん、政府や自治体のことが信じられなくなってくる。私は自分の軸を持つことにする。
そういえば、このエントリーでもふれたが。私たちはいつになったら胸をはって帰省することができるのか。旅行ができるのか。
第5波が爆発する今、私たちは第6波の準備をしなくてはならない。出口をどうするか。政治家は鞭だけでなく飴玉を。信頼を取り戻してほしい。
編集部より:この記事は千葉商科大学准教授、常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2021年8月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。