岸田氏が自民党総裁になりました。政治家3世のエリート一家出身で、外務大臣・防衛大臣を歴任し自民党政調会長です。その岸田さんが会長を務めるグループが、宏池会です。
自民党内には派閥があり、宏池会は、清和政策研究会(旧清和会)、志公会、平成研究会(旧経世会)、志帥会に次ぐ派閥となり、党内のハト派勢力という位置づけです。現在の所属議員は衆参合わせて46名になります。
宏池会は池田勇人が佐藤栄作と袂を分かって旗揚げしたのが始まりです。歴代会長には、大平正芳首相や鈴木善幸首相、宮澤喜一首相がいますが、2000年の加藤紘一氏の起こした加藤の乱で分裂しました。小泉政権、野党時代を経て、離合集散を繰り返します。
近年でも古賀派と谷垣派の合流や対立があってややこしいのですが、2012年から岸田さんが会長に納まりました。会長を退いた古賀さんは一定の影響力を保っていましたが、2020年総裁選で古賀さんが岸田さんの対立候補である菅義偉さんを支援したことから、その影響力を削がれました。
前会長の古賀氏は、今年の大平正芳元首相の墓参りで、伝統がありながら存在感を発揮できていない派閥の現状に不満を漏らしていました。
立憲民主党の枝野幸男代表が、「私自身は宏池会(池田勇人元首相が設立した自民党の派閥)の思想的な流れにある。」と言っているくらいなので、その理念はリベラルと言えるでしょう。辻本さんも宏池会とは浅からぬ因縁があるようです。
岸田新総裁とともに、宏池会からも目が離せません。