今週のつぶやき:ビットコイン、テスラ、原油価格と「新エネルギー計画」

ショパンコンクールで2位になった反田恭平氏のインタビューを聞いて意外感を持ったのは「鍵盤に向かってずっと練習しているわけじゃない」。いろいろ見聞きしてインプットして考えてそれらを音楽表現としたのです。様々な角度からの強い刺激を糧とした、です。思い起こしたのが野球のイチローさん。彼はストイックに素振りに励みました。この違いを深堀する意味は大いにありそうです。ちなみに反田氏の理想は大谷翔平さんだそうです。常識にとらわれない異次元、これがキーワードですね。

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では今週のつぶやきをお送りします。

ビットコイン、テスラ、原油価格…さて、何処に行く?

10月半ばになって新ラウンドに入った、そう感じています。相場のトーンが変わりました。第3四半期決算シーズン真っただ中でもありますし、ビットコインのETFもついに登場、フェイスブックは社名変更検討と報じられ、原油価格はこじっかり。その間、目立たない金(ゴールド)はアノマリー的に秋には高くなるのですが、今年も裏切っていません。

あまり個別について述べたくはないのですが、ビットコインはETF上場で一旦休んだ後、年内7-8万ドルを目指す展開を想定しています。最大発行枚数2100万枚、21万ブロックごとの半減期は全部で33回のうちまだ3回しかないので先の長い物語は始まったばかりに見えます。テスラは好決算を理由に久々に新高値を付けましたが正直判断できません。業績からはじく理論価に対して期待値が高すぎてビットコインより読みにくいのです。原油は22年年初までは強いとみられ、インフレリスクで代替資産の金も上昇余地はあるとみています。

ただ、トレンド投資は概ね息が短いもの。今の流れは一つの節でその次に何が来るかは誰もわかりません。それは専門家に聞くというより相場に聞くことになるのですが、私は「相場の息遣い」に最大限の神経を注ぎ込んでいます。しかし、こうなるとマネーゲームになってしまい、素人は勝ちにくくなります。理由は情報とその分析が3歩も4歩も後手になるからです。どの相場も現在は非常に高いところにあり、プロ集団が激しいつばぜり合いをしています。自動車レースの決勝戦にプロドライバーと素人が一緒に参加するようなものなのでそのリスクは十分に把握しておくこと、これが大事だと思います。

疑問符だらけの「新エネルギー計画」

待ちに待った新エネルギー計画が発表になりました。なぜこのタイミングか、といえば11月に英国グラスゴーで開催されるCOP26での発表用に閣議決定する必要がありました。2030年のエネルギーミックス、私の瞬時の疑問は3つ、①原発、今の3-4倍の比率、可能なのか?②石炭がまだ19%も残っている(LNGが20%なのでほぼ同じぐらいという意味)③旧目標の総電力量が1兆650億kWhが今回の目標は9340kWhに下がっています。その下落率12%です。どこを削減するのでしょうか?

では最大注目の再生エネですが、2019年の18%から30年には36-38%にするとあります。風力や地熱、バイオマスが大きな割合になるとは思えないので太陽光頼みです。正直、私は不可能だとほぼ断じてよい目標だと思います。理由は簡単です。日本の日照時間は長くない、これに尽きます。気象台の平均値は年間1850時間、世界平均は2500時間です。平均より22-3%低いのです。偏差値ならば42-3ぐらいかもしれません。私が大昔に日本にはリゾートはできない、理由は沖縄は雨や台風ばかりと申し上げました。特にここにきて気候変動で天気はより安定しなくなりました。役人が机上で考えたプランというのはこういうことなのです。

私は東京の事業用不動産の屋上に7年ほど前に200万円かけて太陽光パネルを設置しましたが月々東電からもらうのは5000円程度。年間収入6万円だから回収するのに計算上33年、投資リターンは実質マイナスです。これはもちろん失敗です。太陽光には投資できないのです。ではお前ならどうするか、と言われたら国立公園法を改定してでも地熱発電を目指すと思います。太陽も風も国土的に十分期待できないけれど地熱だけは大いにある、この恵と原発との引き換えが国民に理解されるか、これぐらいの覚悟を政府は示すべきです。この新エネルギー計画は腑抜け以外の何物でもありません。

60代にしておきたい3つのことby ひろ

60歳になった今年は今までにないほど年齢を意識するようになりました。それは過去は末広がりの年代だったからです。可能性も無限の広がりがあったし、私には経営者としての選択の自由もあります。私は今でも生涯現役を考えていますが、それが80歳までか100歳までか、物理的限界の120歳なのかこれは神のみぞ知る、であります。一方、社会的にはシニアの範疇となり、高校のクラスメートからもリタイアという声がちらほら聞こえてきます。

以前、本田健さんの講演も聞き彼の〇〇代シリーズも読んだうえでずっと考えていたのですが、自分で設計する60代にしておきたいこと、3つとは何だろうと。結論。①70歳までの10年で後悔のない最高のチャレンジ ②過去の流れをいったん遮断し、全く新たな道を築く ③圧倒的な体力を維持する、この3つです。

後悔のないチャレンジの対象はビジネスだと思いますが、失敗して無一文になってもよいので信念をもって攻めたいと思います。過去の流れの遮断とは60年間に積み上げた社会的地位を全部捨ててでもゼロスタートを切ってみたいのです。そして違う世界を覗いてみたいのです。最後の体力とは別に〇〇大会に出て優勝するという話ではなく、自分への鍛錬という意味です。肉体的にも精神的にも屈強になりたいのです。私に影響を与えたのはソニーのCEOだった平井一夫氏かもしれません。私より6カ月早く生まれた同世代である氏のソニーからの潔い退き方は感動でした。

後記
最近、スーパーマーケットで野菜を一切買わなくなりました。その代わり、ある中華モールの八百屋で中国人に交じって無造作に山積みになった野菜を買います。理由は鮮度がまるで違うのです。久々に新鮮な野菜はうまいと感じました。価格もスーパーより3-4割は安いです。大規模流通は必ずしも鮮度を確保できない話は豊洲問題の際にも取り上げました。大手では不可能な小規模店の強みを改めて見せつけられています。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2021年10月23日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。