オッサンとジェンダーとテレワーク

さて、今日は気になる記事をピックアップ。

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一つ目は、サイボウズ青野慶久さんのnote。青野さんと言えば、選択的夫婦別姓の推進運動はじめ、日本のジェンダー格差を是正するために取組んでいることが有名ですが、今回の記事は「経済とジェンダーは密接だよ!」という記事です。

「日本の給料が上がらない」のは、アップデートできないオッサンによる「ジェンダー問題の放置」が原因です|青野慶久
2021年秋の衆院選が終わりました。選択的夫婦別姓と同性婚に反対する候補者を落とすヤシノミ作戦を展開しましたが、落選させまくることはできませんでした。 一部の方から、「選択的夫婦別姓や同性婚などの『ジェンダー問題』は、『経済問題』よりも優先度が低い」と言われました。まだ多くの人たちは、「ジェンダー問題を解決したとこ...

「日本の生産性が低いのは、オッサン文化が根強いから」
長時間労働と飲みニケーション。ITを使えず、いまだに紙とハンコ。テレワークはできないし、部下にはやらせない。アナログな根回しとヨイショで出世。大事なことは密室で決めるけど、決めた理由はよくわからない。女性や若者は非正規雇用にして搾取する。パワハラ・セクハラで若手のモチベーションを下げまくる。そんなオッサン文化が経済停滞の元凶です…と書くと、多くの方が共感してくれるかもしれません。

「オッサン文化」とは、考え方が古いままアップデートできない男性にとっては都合がいい文化です。
言い換えると、「オッサン文化に属していない人たち(若い男性・女性・セクシャルマイノリティなど)の活躍を阻害する文化」です。

めちゃくちゃ納得し、共感しました。

政治の世界も全く同じです。

議員や候補者のみならず、その支援者も含めて、古い考え方のまま若者に圧力をかけてくるようなことが当たり前の世界です。

それに対抗しようとすると、「つぶす」だの「仕事できないようにしてやる」だのと、何度言われてきたことか(苦笑)

始末が悪いのは、議員や候補者本人のみならず、その支援者にまで圧力をかけてくるところ。

仕事が無くなると思えば、応援したくてもできなくなる心情はよく分かりますし、それ以上応援してほしいとは言えなくなってしまいます。

とはいえ、政治の世界のヒエラルキーを今すぐに変えることはできません。

どんなことがあろうとも、選挙が終わればノーサイド。

そんな政治に変えることができるのは、これから新しく政治の世界に入っていく私たちから下の世代なんだと思います。

私のバイブルといえるマンガ「クニミツの政」で、市長候補の坂上竜馬が若者の代表であるクニミツに土下座するシーンがあります。

国をおかしくしてしまった一人として、若者に謝罪し、若者に国の再生を託したい気持ちを伝えた上で、自らの役割は「踏み台」であると伝えます。

社会は20年サイクルで変化していくと私は思っています。それは、世代が変わるという意味です。

よくも悪くも人間はそんなに簡単には変わりません。特に集団や組織となると変わるのは不可能なのかもしれません。

失われた30年と言われて久しいですが、とっくに20年を越えました。

それなのに、同じような考え方、同じような権力闘争、同じような顔ぶれ、これでは日本は世界から取り残されてしまいます。

政治の話ではないですが、同じようにオッサン文化を感じるニュースを二つばかり。

テレワークなどで出勤者7割減「見直すべき」 経団連が政府に提言:朝日新聞デジタル
 経団連は8日、政府が新型コロナ感染拡大対策として呼びかけてきたテレワークなどによる「出勤者数の7割削減」について、「科学的な知見」を踏まえ、なくしていく方向で見直すべきだとする提言を出した。 同日発…

一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)は、日本の大手企業を中心に構成された団体ですが、

政府が新型コロナ感染拡大対策として呼びかけてきたテレワークなどによる「出勤者数の7割削減」について、「科学的な知見」を踏まえ、なくしていく方向で見直すべき

とする提言を提出したそうです。諸外国ではテレワークで労働生産性が向上したという調査もある中で、日本では労働生産性が低下したそうです。上述の青野さんが言うところの「長時間労働と飲みニケーション。ITを使えず、いまだに紙とハンコ。テレワークはできないし、部下にはやらせない。アナログな根回しとヨイショで出世。大事なことは密室で決めるけど、決めた理由はよくわからない。」オッサン文化が根強く残る、そして、残したい心情が表れていると思います。

また、同じく経団連のニュース。

【独自】経団連、女性の両立支援強化に注力…春闘方針案
【読売新聞】 経団連が2022年春闘で、女性社員への仕事と家庭の両立支援を強化するよう会員企業に呼びかけることが分かった。育児や親の介護などで本人の意に反して仕事を辞める人を減らし、役員候補となる部長や課長への女性登用を増やす狙いが

女性社員への仕事と家庭の両立支援を強化するよう会員企業に呼びかける。育児や親の介護などで本人の意に反して仕事を辞める人を減らし、役員候補となる部長や課長への女性登用を増やす狙いがある。

とのことですが、そもそも仕事と家庭の両立は女性だけでなく男性も進めるべきもので、本人の意に反して仕事を辞めたり、役員になることを辞退する背景には、こうしたオッサン的発想が根本にあることを自覚していないことを物語っています。

今年になってから、経団連初の女性副会長が誕生しました。また、雇用者側の団体である労働組合の会長には、これまた初めて女性が選出されました。先日の自民党総裁選では女性候補者が半数となったことは大きな変化です。

しかし、このような女性をアイコン(偶像)的に扱うオッサン的組織が多いことも事実で、オッサン的組織でうまくやれた一部の女性をことさらに祭り上げて、女性の活躍が進んでいると喧伝するようなやり方が私はとっても嫌いです。

女性も男性もLGBTQも、自分らしく無理なく、働き暮らしていけるように、という面でも世代交代が必要なんだとつくづく思います。

ここ最近、オッサン的発言などを指摘されて「失敬だな!」と怒り出したり、謝罪したつもりが火に油を注ぐような言動を繰り返す人がいます。これは当たり前と言えば当たり前で、オッサン文化を享受してきた人は、自らがオッサンということを自覚していません。

20年もたてば、誰もがオッサン側になるわけですから、それを自覚していない方も方も多いですよね。この世の春とばかりに、オッサン界の王様として君臨し続ける方がどの世界にもいるのは残念なことです。

失われた30年ということは、オッサン文化の1周期を20年(世代交代)と考えるなら、2周目も半分を過ぎてしまいました。

今やらずして、いつやるのか。

オッサンになりかけている私たち世代が、オッサンになりきる前に、「踏み台」になりましょう!