高級寿司店で会計明細を求めるのは野暮なのか?

東京の人気の寿司店や和食のお店では、会計はほとんどの場合、小さな紙に合計金額だけが書かれたものが手渡され、明細がわからないまま支払いをしています。

金額を見て「明細を教えてください」と聞くのは、何だか野暮なことだという暗黙の了解があります。

ところが、愛読している匿名のグルメブロガーが、福岡のお寿司屋さんで会計に納得がいかず明細を求めたそうです。自身のブログで、店名の実名入りで暴露していました。

グルメサイトで金額が明示されたコースを予約していたので、価格がおかしいと気がついて要求したようです。

すると、あがり(お茶)に一杯千円が課金され、更にビールの消費税が二重取りされている疑惑まで発覚したそうです。こうなると、返金されたとしても、お店に対する信頼感はゼロ。気分が悪いから恐らく二度と行かないことでしょう。

私も、会計金額には比較的敏感な方です。メニューに値段が書いてあるお店では、自分の頭の中でなんとなく会計金額を予想し、大きく違っている場合は明細を見せてもらうようにしています。

なぜなら、2割ぐらいの確率で、注文していない商品が入っていたり、キャンセルが通っていなかったりして、金額が間違っているからです。

このように、お店が意図的ではなく計算を間違えてしまうことは、珍しいことではありません。

しかし、最初からメニューが無くお任せでお願いするお店は、コース注文やメニューの金額明示があるお店とは違うと思います。

入店した時点で、店主と最終会計金額も含めてお任せした。そう、考えています。

もし、会計金額に納得できなければ、次から行かなくなるだけのことです。店主が法外な金額を請求すれば、次々に客は離れていく。毎回が真剣勝負です。

お店にとって一番怖いお客様は、満足しなかったのに文句も言わず去っていき、二度と来ない人です。

納得しなければ明細を求めて当たり前の店と、聞くのが野暮な店が存在する。これが私の考え方です。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年11月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。