原油石炭もナフサも食品も部品も原料も爆上げ中。最悪のインフレ、「スタグフレーション」がヒシヒシとやってくる今日この頃。
不況にもかかわらず、世の中のモノやサービスの価格(物価)が全体的に継続して上昇すること。英語表記「stagflation」の日本語読みで、「stagnation(景気停滞)」と「inflation(インフレーション)」の合成語です。通常、不況時は需要が落ち込むことからデフレとなりますが、原油など原材料価格の高騰などにより、不況にもかかわらず物価が上昇することがあり、こうした状態が「スタグフレーション」です。不況で賃金が上がらないにもかかわらず、物価が上昇するという厳しい経済状態で、1970年代のオイルショック後に日本はこうした状態となっていました。
コロナで命さえ助かれば経済なんてと言ってたらとんでもない悪夢がやってきた
日本に第3次オイルショックと、スタグフレーションの危機はやって来るのか?
「アベノミクスではデフレ脱却が重要だと言ってきたじゃないか?」と思うかもしれませんが、経済学的には良いインフレと悪いインフレがあります。
不況下なのに物価上昇が起きる現象を、「スタグフレーション」といいます。これは経済にとっては悪いインフレです。コロナ禍で経済が停滞している(不況)のに、生活必需品の価格(物価)が上昇するという今の状況は、定義としてはスタグフレーションに該当します。
日本にインフレなんて来ない、だから国債刷りまくって国民に配れとかアホな事を言っていたらとんでもないものがやってきました。
インフレです。それも景気が良くなる良いインフレではなく、景気が悪く給料も上がらないのに物価だけがバカみたいに上がるスタグフレーションです。コロナ禍でも収入が変わらないので
「ロックダウンしろ」
「経済より命が大事」
「居酒屋なんて潰れてもかまわない」
とか言っていた年金生活者や公務員にもこのスタグフレーションは容赦なく襲いかかってきます。欧米より遥かに被害が少なかったのに「感染対策をしながら段階的に解除してゆっくりと経済を回していこう」とか暢気なことをいっているうちに、欧米各国はとっくに経済全開の体制を採り、非科学的な東南アジアの生産拠点では日本以上にビビりまくって工業生産を停止しているうちにとんでもない事になってきました。
日本のスタグフレーションの原因はいくつかありますが、経済の素人の私でもこれくらいは仮説を立てられます。
そもそも不景気な日本なのに経済を全く解放できていない
先進国では一番のゼロコロナ状態なのに、いまだマスコミはコロナの不安を煽り、人通りや観光地はとてもじゃないけどコロナ禍以前には戻っていません。マスクを強要し過度な感染対策を強いるあまり、人心が縮こまっているのです。
1 全解放した諸外国に資源や部品を取られた
それに対し、いまだ日本の何百倍の新規感染者数でも欧米先進国は立ち直りが早かった。コロナごときでもたもたしているわけにはいかないという国民の意思が強い。新規陽性が再び増えてもワクチン効果で死者が少なければそれでいいと割り切れている。
ドイツはこんな感じです。
日本よりもコロナの被害が格段に大きかった欧米先進国がとっくに全解放し、景気が劇的によくなって素材や部品が一気にそっちに行ってしまった。
今、日本では給湯器やトイレが壊れても部品がなく修理もできない。
実は新車を注文しようとしたら7ヶ月待ち。ものによっては3年待ち。半導体がなくて生産できないらしい。中古車は高騰したが新車が売れないので中古車のオークションも閑散・・・・タマがないらしい。
木材は値上がりしてトイレや空調機器、銅線もないから電気工事もできない。
工場の派遣労働者も
ディーラーの営業マンも
全国の工務店や職人さんもみんな絶滅!!
2 日本の入国規制がバカみたいで海外のビジネスマンが来られない
これ、逆もあります。日本から海外出張にいって戻って来たら1週間隔離されていたら仕事にならない。3日に短縮されても似たようなモノだ。欧米ではほとんどこんな馬鹿げた規制はない。日本とアジアだけと言っても良い。ゼロコロナ状態のインドネシアもバリの直行便が週1便飛ぶが、山のようなビザなどの書類に現地で3日間の隔離・・・・・
すでに日本ではワクチン接種でコロナはインフルエンザと同等の致死率と死亡率になっているのに、いまだ3日間隔離・・・・・。これじゃ出張にもいけないし海外からもこられない。昨日もフランスから新しい技術を導入したいのにエンジニアが来られないと聞いた。
だいたいデルタ株の流行を見ても水際対策なんてほとんど無力で世界で同時に感染は拡大した。水際対策なんて全く無意味なのだ。少しでも確率を下げたいのであればワクチン接種済みでPCRや抗原検査で陰性ならばいいのではないか。
最新のデータみても、ワクチン接種者は未接種の5/1~1/10しか感染しないのだ。それで十分ではないか。
バカみたいな規制をいつまでもしているから経済は本気では活性化してないのだ。
ちなみに観光客を本格的に受け入れているハワイ州。日本からもワクチン接種とPCR検査で即入国。
東京都の人口の人口だから、東京に合わせると1日1000~2000人以上の新規陽性です。しかし死者は1日6~8人程度。東京なら60人〜80人程度だがこのくらいは社会が許容しているのだ。
日本もこの程度は許容していかないと、国中が疲弊して失業者が溢れ、給料が上がるどころか失業しているのにとてつもないインフレがくる。つまり「スタグフレーション」が到来する。
上記記事のように、小麦やコーヒーを初めとする食品、そしてとんでもない円安に振れつつあるので輸入品はみんな値上がりする。食料の大半を輸入に頼っている日本は恐ろしいことになる。
3倍に高騰した原油や石炭、LNG価格
知らない人は知らないのだが、エラいことになっている。
日本は原発の再稼働に脳天気な多くの国民が反対して化石燃料が2/3を占める。
原油だけではなく、石炭もLNGも暴騰しているのだ。
ガソリン、軽油はもとより電気代は暴騰するし、石油由来のプラスチックなどの原材料であるナフサはこうなっている。
給料は上がらず失業率は高くなるのにインフレ大爆発は確実
なのである。アメリカは石油の増産を決めたが、コロナ禍で世界の化石燃料の生産が滞ったあとでの欧米の経済大開放に日本はとんでもなく出遅れている。経済再生大臣が破壊した日本経済は本当にヤバいことになるのはこのままでは確定する。
コロナ、コロナと騒ぐのは止めて経済に全振りに
これをなんとかしのぐには、とにかく経済を少しでも活性化させるしかない。コロナが怖いからという高齢者や主婦層に気を遣って、時間を掛けて少しずつ解放すべきなんていう経済音痴の医者の言うことなど無視すべきなのだ。彼らは不況の責任も、それで発生する何万人もの自殺が生じても全く責任など取らない。取る気もない。「どうして我々がそんな責任を取る必要があるのか」まで言う専門家もいる。こんな人たちのいう事を聞いて、いまやインフルエンザと同じ致死率と死亡率のコロナにいつまで対策させるのか。
災害対策と同じで、感染対策もきちんとデータから脅威を予測して避難場所や避難経路を確保し、脅威が去ったらもう安心だから復旧しようという指示を出すのが筋!
データも解析しないで個人の感想でまた次の台風が来るかもしれないから永遠に雨具着て家から出ないで経済回そうとか、そんな無責任な!
永遠にアクリル板立ててマスクしてでマインドが上がる訳がありません!!!
そして経済復興に予算を使うなら、はっきりいってバラマキはほとんど効果がありません。生活困窮者も給料が上がらずインフレになるスタグフレーションが来たら、10万やそこら貰っても無意味です。全国民に10万円ずつ配布するのは12兆円もかかる上、振り込みに500億。自治体の窓口はものすごく疲弊する割に年金生活者や公務員は貯蓄に回すためにほとんど経済は活性化しなかったのはもう明らかです。
経済はマインド!!
なのです。経済を活性化させるのは、残念ながら貧困層ではなくてお金が使える中間層以上です。いまこそ日本の貯蓄を掘り起こし、経済をぶん回して内需を好転させ(原材料や部品がなくて買えない物も多数ありそうだが・・・)、景気を良くして結果として貧困層にもリターンさせるようにします。そしてそれはスピーディに行われないといけない。
まず、国債を金利が上がるリスクは承知で5兆円発行します。それを原資にします。ただばら撒くだけではひとり4万円にしかなりません。
キャッシュレス決済するとマイナポイント(2ヶ月期限)で20%バック!!
どんなものでもキャッシュレスで決済すれば20%ポイントバック。つまり20%引きになります。家や新車はキャッシュレスでは買えませんから対象外ですね。1人あたりの上限はありません。使えば使うほどお得。5兆円使い切るまで続きます。貧困層も毎日の買い物をPayPayやイオンカードやSuicaで買い物すればよろしい。毎日の食費や必需品を買うのにも使えますから現金で貰うのと同じです。さらに多くの店がこの予算をあてにしてキャッシュレスの支払いを認めるので税の補足もしやすくなります。
20%分のマイナポイントは、マイナンバーカードを申請したときに指定した電子マネーに振りかえられます。有効期限は2ヶ月にしますから、それも使わないと損。
推測できる経済効果は
5兆円÷20%+ポイントバック分兆円 = 30兆円
消費税収も3000億円増えますね。
日本の消費総額は300兆円でGDP554兆円の過半数を占めるから、なんとこの施策ではたった5兆円の投資でGDPを5%押し上げます。農家や漁村から旅行、観光、製造、流通までの幅広い分野にお金が回り、給料は上がり、国民全員が幸せになります。
はっきりいって日本にはこうした画期的な、そして破天荒な手段しか再起の道は残されていません。政治家がそれを認識してない事が最大の不幸です。
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年11月26日の記事より転載させていただきました。