愛子様に自由に国民と交流の機会を持たせてあげたい

八幡 和郎

天皇、皇后両陛下の長女、敬宮愛子さまは12月1日に20歳の誕生日を迎えられた。5日には、皇居・宮殿などで成年行事に臨まれ、三権の長らから祝賀を受けられた。

愛子内親王殿下のお誕生日に際してのご近影(宮内庁HPより)

しかし、それにしても、どうして、宮内庁は愛子様を籠の鳥のように皇居に閉じ込め、国民と交流させないようにしているのか理解に苦しむ。

昨日も、昼すぎに天皇皇后両陛下への成年のあいさつを終えると、宮殿の「西車寄」で待つ報道陣の前に姿を見せられティアラや勲章を身につけた白いロングドレス姿の愛子さまは、報道陣から「愛子さまおめでとうございます」と声をかけられると、「ありがとうございます」と一言だけ仰って終わりである。

勲章を授与されたときにも、「宮内庁によると、背筋を伸ばして凜とした姿の愛子さまに、陛下は優しいまなざしを向けられていたという」というだけで、動画の映像はなかった。

宮内庁を通じ、成年に当たっての感想を文書で公表されたが、「一つ一つのお務めに真摯に向き合い、できる限り両陛下をお助けしていきたい」といったあたりさわりの抱負だけだ。

宮内庁によると、愛子さまは現在、在籍する学習院大で日本文学などについて学んでおられるそうだが、あえてリモート中心の学業にされてあまり大学には行っておられないようで、「新型コロナウイルスの感染拡大防止に配慮し、大学の授業には現在もオンラインで臨み、課題やリポートの提出に忙しく取り組まれている」のだそうだ。

しかし、愛子様のようなお立場だと、大学でのリアルの交流は貴重な社会経験であるのに、それを敢えて避けるというのもなんともおかしな話だ。

皇室にコロナを持ち込まないというのは、皇后陛下がワクチンを接種されていないからと云うことなのだろうか。しかし、貴重な学生生活の機会をそういうことで残念なことで、それなら、ご両親と別に住まれて、時々、そのたびにPCR検査をして皇居に戻られてお会いになったって良いのである。

また、宮内庁は1日に、愛子さまが来年3月中旬、成年に当たっての記者会見に臨まれると発表している。皇族方が成年された際の会見は誕生日前に行われることが多かったが、愛子さまが「学業でご多忙」のため「(回答を)落ち着いてお考えいただくのに最も適した時期」(宮内庁)のだそうだ。

学業があるのは、これまでの皇族の方々みなさんそうなので、愛子さまの特殊事情でない。まして学校にいかずリモートで済まされているのだから、普通よりも時間はあるのである。それを、「落ち着いてお考えいただく」ために3月に延期するというのだが、さまざまな行事は、それをするべき時にきちんとこなすのが皇室のあるべき姿であって、腑に落ちない。

また、来年の3月ということになると、悠仁さまの高校進学が話題になり、将来の陛下となるべきプリンスのことが国民にとって嬉しい話題になっているときだ。わざわざ、そのタイミングにぶつけるというのも、あまり常識的な判断ではない。

それにしても、愛子様も20歳にもなられるのに、国民との接触や情報提供は余りにも少ない。眞子さまや佳子さまでももっといろいろ話題になっていた。なかには、素晴らしい気品だとか、ご聡明でおられるとかいう人もいるが、宮内庁が提供するわずかの写真を見ていっているだけだ。

こういう状態ではロマンスだって生まれようがない。というか、ほとんど無菌状態で成長されて、いいのだろうかと心配だ。まさか、眞子さまで懲りて、お見合いして結婚されるまで余計な出会いの場はないほうがいいとでも考えているのだろうか。

また、愛子様は、午後には、高輪の仙洞仮御所で祖父母の上皇ご夫妻に成年の報告をされたが、コロナ禍のためご夫妻と会われるのは1年9か月ぶりだったという。

これは悠仁さまの場合でもそうだが、上皇ご夫妻や両陛下とできるだけ接触機会をもつことこそが最高の帝王教育ではないのか。コロナ怖さにそういう機会を持たれないというのは、失うものが余りにも多いと心配するのは余計なお世話なのだろうか。

愛子様が一人の若い女性として青春を楽しまれ、成長の機会をもたれるために、今の状況は好ましくないと思うので、あえて申し上げることにした。