岸田さんの役割は、安倍・菅政権時代に積もりに積もった積年の澱を一掃することにありそうだ
大方の国民は、これまでの岸田さんの動きを好意的に見ているだろうと思っている。
赤木国賠訴訟について国が請求認諾をして訴訟を終結に持ち込んだことが、如何にも森友学園問題の真相隠しの手段であって、安倍さんの失政を隠そうとしているに違いないなどと穿った見方をされる方が結構おられるが、私は、岸田さんにはそういう意図まではないだろうと思っている。
岸田さんの言動からは、岸田さんが安倍さんを殊更に擁護しようとするような雰囲気はまったく窺えない。
自分の内閣では桜を見る会は開催しないと明言されていることから考えると、桜を見る会についてもどちらかというと否定的なニュアンスで捉えられているようだ。
幹事長人事や内閣官房長官人事、さらには総務会長に福田達夫氏を抜擢したこと等一連の人事から言えることは、岸田さんは決して安倍さんの言いなりにはならないと覚悟を決めておられるように見える。
自民党の最大派閥の長を敵に回すような軽率なことはされないだろうが、安倍さんから距離を置こうとしていることは間違いないだろう。
岸田さんは、決して軟弱な人ではない。
いつからこんなに強くなったのだろうか、と不思議になるほどに、現在の岸田さんは強かである。
ようやく公邸入りをされたようだから、岸田さんが安倍さんとは一線を画しておられるのは明らかだ。
さて、岸田さんはどこまでやるか。
岸田さんの役割は、どうやら永田町に積もりに積もった積年の澱を一掃することにあるのではないだろうか。
請求を認諾したのに、奥さんとの面談を峻拒されるのは岸田さんらしくないですね
赤木さんの奥さんがかなり感情的になっているようなので、今の段階での直接の面談は回避しておこうという判断そのものは止むを得ない面はあるが、しかし、然るべき使者を送って弔意を示したり、状況が落ち着くのを待ってから赤木さんの奥さんと面談の機会を作って直接ご自分の意のある所を伝える等のことはされた方がいい。
岸田さんほどの誠実な人であれば、その程度の配慮はされるはずだ。
岸田さんには、人情の機微がよく分かる人になっていただきたい。
いいことはいい、悪いことは悪い、と割り切っていただきたいものだ。
ここは、国民を代表して、頭を下げていただくところだ。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2021年12月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。