タワマンに住みたい人、住みたくない人

2024年完成予定の晴海フラッグにも、いよいよタワーマンションが建設されます(写真)。このタワマン(タワーマンション)という言葉には「富の象徴」「成功者が住む場所」といったギラギラしたイメージがあります。

高層階からは、きらびやかな夜景が見えたり、富士山や東京タワーの眺望が良かったりするメリットもあります。

だから、高層階の方が低層階よりも値段が高いのが当たり前になっています。都市伝説かもしれませんが、「階層カースト」という言葉が以前話題になりました。タワマン住人の間で住んでいる階層による格差があるいう話です。

私はタワマンに住んだことがありませんが、夜景や眺望の良さにメリットを感じるのは、住み始めた直後だけは無いでしょうか?毎日見ている当たり前の風景になってしまえば、来客に自慢する以外は、外の景色を眺めることなどほとんどなくなってしまうはずです。

むしろ高層階になると、エレベーターで下に降りるまでの時間がかかって、不便な気がします。

例えば、マンションの入口まで駅から徒歩5分であっても、エレベーターで部屋まで5分かかれば、徒歩10分の低層に住んでいるのと同じことになります。

朝の混雑時などは、下に降りるだけでもエレベーターが各階に頻繁に止まり、さらにストレスが溜まることでしょう。

また、大規模タワーマンションには、付帯設備が充実しているメリットもあります。しかし、これも共用スペースの設備が充実すればするほど、管理費や維持費にもかかってきます。

私はそのような設備をあまり使わないタイプなので、むしろ外部の設備をその都度利用し、マンションの管理費を下げてもらったほうがありがたいと考えます。

さらに、自然災害に弱いのもタワマンの弱点です。

数年前の武蔵小杉のタワーマンションで話題になったように、エレベーターが故障すると、ライフラインが遮断され、陸の孤島になってしまいます。東日本大震災の時の大きな横揺れも問題になりました。

と言うわけで、私はタワマンと聞くと、むしろネガティブなイメージを持ってしまう「タワマンに住みたくない派」です。

今まで様々な場所に住んできましたが、高い所に住むのはどうにも落ち着かず、今住んでいる部屋も5階です。

敢えてタワーマンションの高層階に住む理由はどこにあるのか?納得できる理由がどうしても見つかりません。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年12月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。