世田谷区が始めた4万個の抗原検査キットの無料(とは言っても、原資は税金!)配布が、当初の予定よりも繰り上げられ、明日27日で終了する。
良くも悪くも、メディアに何回も取り上げれているせいもあるだろうが、多くの区民が駅頭や公園に押しかけ、早々と在庫がなくなってしまったのだ。そのため、受け取れなかった人たちから苦情が殺到。パニックを引き起こした区の責任は極めて重い。
さらに、保坂区長はいつものように区民に説明しないが、20万個を薬局で配布する計画だったのが、キット不足により急遽、9万個に縮小。全国的に調達できない状況と言う。それは当然だ。まったくもって見通しが甘い。
世田谷92万区民のうち、ほんの僅かの人にしか行き渡らず、貰った人だって本当に使うかどうかわからない、その検証をする手立てもないという、年明け早々の狂騒曲である。
ただ、唯一の救いは、私たちの会派(無所属・世田谷行革110番・維新)が提案してきたように、医療機関に5万回分のキットを提供するとの方針に転換したことである。
そもそも、初めからこちらに全力を傾けるべきだったのだが、区長はじめ行政は、むやみやたらと無症状者から陽性者を炙り出したいという、悪しき“世田谷モデル”の思想に汚染されているので、思いもよらなかったのだろう。だいたい、思いつきで政策を実行してはいけないということを、改めて強く指摘しておきたい。