時間がないなら、やることではなく「やらないこと」を決める

KIRINJIが歌う「時間がない」という曲があります。作詞作曲をした堀込高樹さんが、50歳の誕生日の頃に作った楽曲のようです。

軽快なメロディーの中に、人生に対する焦りや哀愁を表現した歌詞に、ドキッとさせられます。

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私は、50歳を遥か昔に超えて、あと数年で還暦を迎えます。

最近、残された時間を意識することが多くなりました。人生のカウントダウンを考える。これは少し前にはなかった感情です。

例えば、ワインやウイスキーをまとめて購入すると「こんなに買っても、全部飲む事はあるのだろうか」と考えてしまう。旅行に出かけると「ここにまた来ることはあるのだろうか」などと思うようになりました。

時間が限定されてくれば、自分がやれることは限られてきます。

これまでは好奇心が強いせいもあって、自分が興味を持ったこと、やりたいと思うことは、何でもやらないと気が済まない性格でした。

例え、後から後悔するようなことがあっても、「人生に無駄なものなし」と良かったことも、悪かったことも、全て経験だとポジティブに捉えてきました。

そんな考え方も、そろそろ少し修正した方が良いかもしれません。

人生には、さまざまなステージがあります。とうやら、私は次のステージにシフトするタイミングを迎えたようです。

何かを諦めたり、手放したりするのは、勇気が必要です。しかし、キャパシティに限界があるのなら、何かを手に入れるためには、別のものを手放さなければならない。

人生の後半戦になればなるほど、欲張らない方が豊かな気持ちで過ごせるのです。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2022年3月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。