アートとお金を結び付けるのは「不謹慎」という思い込み

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インナーサークル資産設計実践会にゲスト登壇してもらい、作品も購入させてもらったMAGOさんのアトリエ(ブログで画像を見る)にお邪魔して、ランチをご一緒しました。

アトリエがあるのは、何と東京の日本橋。三越の本店の向かいにある超一等地に広いスペースを借りています。これには戦略的な意味があるようです。

ガーナから集められた先進国のゴミを、このアトリエでアート作品に変身させ、それをアートコレクターが次々に購入していきます。

作品が完成するのを待っている人も多数おり、個展を開催すると初日から作品がすべて売れてしまうことも珍しく無いと言います。

今年の10月からは、フジテレビのサポートで上野の森美術館での個展も決まっており、海外のギャラリーからの問い合わせも来ています。

MAGOさんと話していると、アーティストというよりいわゆる社会起業家に似た雰囲気を感じます。実際、マゴクリエーションという会社を経営し、海外上場を目指しているそうです。

アートというと、大抵の日本人は美術館でお金を払って鑑賞するものだと思っています。作品に値段を付けて、売買するのは何だか不謹慎だとさえ思っている人もいるのです。海外ではアートは自分で共感するアーティストの作品を購入して自宅で楽しむものです。アートとお金には強い結びつきがあるのです。

MAGOさんが考えているのは、アートによる資本主義の諸問題の解決です。アートとお金を切り離すのではなく、むしろお金と近づけることが問題解決に必要だという、多くの日本人とは真逆の発想です。

作品が売れて、価値が高まれば高まるほど資金が集まり、それが貧困に苦しむ人たちの生活環境を改善したり、学校を作るために使われ、資本主義の諸問題を解決する力となる。

MAGOさんは、これから本格的にグローバルな活動も広め、作品の売り上げを今の10倍以上にしようと目論んでいます。といっても、私腹を肥やすわけではなく、目標とする「サステナブル・キャピタリズム」の実現のために、それだけの資金が必要だというのです。

今までのアーティストのアプローチとは全く異なるやり方で、世界の様々な問題に向き合い解決しようとするMAGOさん。その可能性に私も作品の購入や、認知度の向上のサポートを通じて貢献するつもりです。

来週、今度は資産設計実践会メンバーを連れて、また日本橋のギャラリーにお邪魔します。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2022年3月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。