「高級」立ち食い寿司が増えている理由

カジュアルな雰囲気と価格で、高級な寿司ネタを食べられる高級立ち食い寿司店が増えています。

新橋の立ち喰い寿司 あきら辺りから火がついて、みこ寿司、立喰 鮨となり、廻転鮨 銀座おのでら本店など、次々に競合店がオープンしています。

最近出かけた新橋にあるみこ寿司さんは、ビルの2階でひっそりと営業していますが、常に予約で満席です。ウニが4種類あって、どれでも一貫880円(写真)。このくらいの価格帯なら、躊躇なく食べたいものを注文できます。

ちなみに、みこ寿司さんには椅子が用意されており、立ち食いではなくカウンターで座って味わうことができました。

このような寿司店の特徴は、内装などにはあまりお金をかけず、仕入れを重視し、握りの技術よりも、ネタのクオリティで勝負していることです。

確かにシャリの味は好みがありますが、握りの技術は相対的な重要性は低いと感じる人が多いと思います。

また、おまかせではなく、アラカルトで自分の好きなものを注文できるのも魅力です。高級店は最初からおきまりで食べるシステムが普通で、カスタマイズ出来ないのです。

好きな寿司ネタは、もう一貫食べたいと思っても、なかなか融通が利きません。

そして何より、この手のお店が増えた理由は、そもそも、お寿司が高くなり過ぎたことにあると思います。

都内の有名寿司店は、おまかせで食べて飲んで、4万円~5万円といった価格です。しかも、ほとんどがかなり先の予約しか取れません。

これでは経済的にも、スケジュール的にも、お寿司を気軽に食べることができません。

そもそもお寿司とは、屋台で始まったファストフードがルーツです。食べたい時にサッとお店に行って、サクッと食べて帰るのが気持ち良いのです。

高級立ち食い寿司店もブームになった感があり、どこも予約がなかなか取れなくなっています。高品質でリーズナブルな高級立ち食い寿司店がもっともっと増えて、たくさんの選択肢が提供される。その結果、気が向いたらいつでも気軽に美味しいお寿司が食べられるようになれば最高です。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2022年3月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。