明石市長も釣られてしまったので説明する
自分は明石市長が好きで、Twitterもいつも見ています。だいたい頷く事が多いが、一昨日、あれっと思う投稿がありリプしました。
明石市長はその前のツイートでパソナ関係者が選挙前にアプローチしてくることをいわれており、このツイートをされていた。
で、この画像ですが・・・
タイトルは「正社員と派遣社員の賃金格差」だが、内容は正社員と非正規社員の差のグラフ・・・・どこからもって来られたのか画像検索してみると、どうも左回りの人のツイートかなにかなようだ。
おそらく明石市長は竹中憎しのデマに釣られてしまったように思います。元データはこの辺ではないかと思います。
どこにも「派遣」という文字はなく、正社員と非正規の差ですよね。
2021年日本の労働人口ですが
正社員 3555万人
非正規 2064万人
です。
こちらは2020年までなのでちょっと差がありますが・・・
派遣は143万人ほどですので、5620万人の労働者のたった2.5%です
で、派遣は非正規なのかといいますと、正社員の派遣もあります。登録型派遣が有期雇用であるのに対し、正社員型派遣は企業と直接契約がある状態のため、無期雇用となります。派遣会社の正社員となって派遣されるわけですね。たとえば大手ゼネコンの設計部などにはけっこうこういう人がいます。
派遣は全く増えていない
で、ここからが肝心ですが
ここ15年、派遣は全く増えていない
わけでして、日本の労働者の給与が上がらないのは派遣とは関係ありません。派遣は実は社会保険料を負担しないとならず、利益率がかなり低い。つまり儲からないのです。パソナグループの決算書見たら
いまや人材派遣は売上の43%しかないのです。
増えているのはパートとアルバイト
それよりパート・アルバイトの増加が最大要因です。
原因はふたつあり、女性の社会進出によりアルバイト・パートが増加したこと、特に利益率の低い中小零細にとって社会保険の負担額が法律の改正なく可能なためどんどん上げられ会社負担が15%に達し、正社員の雇用が経営的に苦しく、非正規に切り換えているという事実があります。つまり
高齢者へのバラマキのために現役世代が非正規化した
ということができます。また、日本の解雇規制が非常に厳しく、仕事ができないからといって減給もせいぜい1回に10%程度となれば正社員で雇うことはリスクが大きすぎるので正規雇用できないという側面も大きいです。仕事ができない正規雇用をクビにしないために、若い人は非正規で雇用されるわけでこれもまた世代間闘争です。
また、労働者側も給料から多額の社会保険料が引かれるのを嫌い、非正規をあえて選択しているというケースも多いです。調査では
正社員になりたいけどなれなかったので非正規は2割もいません。労働者側が非正規を選択しているのです。
派遣も同じで、正社員のボーナスは2年目からのため、派遣のほうが正社員より最初は手取りが多い。また、マネジメントや出世などの面倒くさいことがないので正社員雇用があっても派遣を選ぶ人も多いのです(派遣会社からのリサーチ)。しかしそういう人たちは数年後には正社員と逆転して差が開きます。年食ってから正社員になりたいと希望してももう遅いと言うことになるわけですね。
つまり、「日本の労働者の給料が上がらないのは、派遣会社が搾取しているからというのは全くのデマ」で
●労働者の年齢が高齢化した
※55歳を超えると給料が下がるので日本の高齢化で全体が沈んで当たり前
●女性の労働力が増えた
●中小は社会保険料が高すぎて正社員雇用ができない
●そもそも労働者側が非正規雇用を選ぶ
●解雇規制が厳しすぎて正社員雇用にリスクがある
の複合型ではないかと思います。
景気を良くしたら給料は上がる
上記のことから、誰々のせいで搾取されていて給料が上がらない的な事は、左の人は言いやすいのですが陰謀論に近く、だったらパソナを潰せば給料がガンガン上がるのかになってしまいます。w わけないでしょ
給料を上げるには方法はいくつかしかありません。
米国のマクドナルドの時給は2500円で、土日は2倍。ホリデーシーズンは3倍だそうです。どうしてかというと
景気が良いから
ですよね。つまり短期的に給与を上げたければ景気を良くすれば良いだけです。人手が足りなくて時給が上がります。実際、いまは飲食業はみんなそうなっています。
ではどうしたら景気が良くなるかですが、今は超円安ですので
先進国はみんなやめた検疫と入国規制を撤廃
すれば、日本がコロナ後に行きたい国ナンバーワンですのでインバウンドが押しかけて景気は一気に好転します。訪日客は円を買うので円安も止まります。で、どうして岸田がそれをしないのかというと
国民がそう願っているからです!!!
もちろん一番開国を願っていないのは高齢者です。
つまり
高齢者が景気を良くしたいと考えない
↓
景気は悪いまま
↓
給料が上がらない
わけですから、給料が上がらないのは高齢者の意向ということができます。だって年金の額は変わらないから景気が良くなって物価が上がると困るもん。年金生活者が4000万人を超える日本では、そういう人たちの多くは「他人の給料なんて上がらなくたっていい」と思っています。
高齢者偏重を止めれば給料は上がる
国のダダ漏れの医療費を削り、高齢者の負担を増やせば社会保険料が下がるので企業は正社員雇用をしやすくなります。それをさせないのはやはり高齢者の意図です。
また、仕事ができない社員の給与を下げたり、解雇したりできるようになれば、仕事のできる社員の給料は上がります。しかし日本の場合、仕事のできない部課長が多すぎて解雇が自由になったらナアナアの仕事できない人たちを残してできる人たちを解雇しそうですがそれはそれで潰れるからいいのです。w しかしこれも仕事ができない中高年は反対しますので実現しそうにありません。
高齢者偏重はいまや日本の国是で、与党も野党も高齢者にしか向いていないので社会の仕組みを変えるのは今すぐには無理です。
よって残された「給料を上げる方法」は国境を全解放してインバウンドを呼び込むことしかないわけですが、それも高齢者は反対しているわけで、日本はもう98.8%くらい滅亡が確定しているわけですね。
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わたしと音喜多君、立憲の中谷さん、自民の藤末さんの新刊がでました。
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2022年5月16日の記事より転載させていただきました。