先日、区民の方から「町会費と募金を一緒に集めるのは疑問」とのご意見を頂いた。私もかつてこの問題を議会で取り上げ、改善を迫ったが、現状は何も変わっていないということがわかった(コチラを参照)。役所の不作為には怒りすら覚える。
そもそも募金は自発的なものであるはずだ。それを金額まで設定して町会費と一緒に徴収するというのは、理解しがたい。封筒とともに手紙が添えられており、そこには「(共同募金は任意です)」と書いてあるが、「はい、そうですか」と町会費だけ払う人は少ないのではないか?
感染症対策を理由に集金袋を用意したとしているが、コロナ禍でなければ、町会費などの徴収は班長にとってかなりの手間である。留守宅には何度も訪ねて行かなければならない。これを理由に町会・自治会に入らない人も多い。それに、4種類の募金の徴収まで担っているのだから、何度足を運べばよいのか、という現場の苦労はよくわかる。コロナを理由に封筒で一括して集め、終わりにしたいというのが本音だろう。
そもそも、こうした負担を強いているのは役所である。募金はそれぞれの団体が、町会などに頼らず、自発的に区民にお願いすればよいはずだ。それを、役所が下請けのように町会・自治会を使っているものだから、こうした歪な振る舞いが横行する。
私が議会で指摘したように、たとえば、東京都共同募金会の「赤い羽根」の事務局は、世田谷区役所の生活福祉課に置かれている。役所の課長が責任者となって、各地域のまちづくりセンターを通して、町会・自治会に徴収を「お願い」しているという関係なのである。
町会・自治会は「被害者」とも言えるが、まず、役所はこうした「お願い」という名の圧力をやめるべきである。そして、せいぜい募金は案内に留め、志のある人には銀行振込や電子マネー決済を勧めるべきである。こちらのほうが、よっぽどコロナ対策ではないのか。これは、私がすでに議会で指摘している。しかし、改善されていないので、再び6月議会で取り上げる。