川崎市の生コンクリート製造販売業者が、現場で余った生コンと新しい生コンを混ぜて出荷するといった不正を繰り返していたことが発覚しました。このため、神奈川県や東京都内の住宅など約70件が違法建築になる恐れが出てきたため、各自治体が調査しているようです。
不正な生コンが建物の躯体に使われていれば、違法建築と認定され、建築主が自治体から解体や改修を命じられる可能性があります。もしそうなれば、売上高が約5億8000万円の建材店が弁済できる額ではありません。
現場での受入検査はJIS規格で定められており、
- 納品書の確認
- スランプ試験
- 空気量試験
- 塩化物量試験
を行います。検査は打ち込む工区毎・打ち込む日毎で行い、1回の打設量が150㎥以下ごとにおこないます。
コンクリートの種類や強度は納品書に書かれているので、納品書さえ書き換えれば、現場での検査をすり抜けることは可能かもしれません。
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成分や強度を分析し、安全性に問題がないと判断されれば、国交相の認定を受けて適法な建物とみなされる可能性もあるとのことですが、万が一解体となった場合はハウスビルダーやゼネコンが責任を持つのでしょうか。
まじめにやっている業者にしわ寄せが来るという指摘や、生コン屋ばかりが悪者にされるという指摘は身につまされます。
工事をしていればさまざまな施工不良がありますが、主要構造部の施工不良は人命にかかわります。
一業者の問題なのか、業界の構造的問題なのか。
現場監督が計算を誤って生コンが余ると、余った生コンの処理はけっこう大変なんです。固まっちゃうので。
また、発注する現場監督は現場監督でたいへんです。経営層が判断せず、なんでもかんでも現場でフィックスしようとする文化は限界かもしれません。
5分の遅れで「1時間残業」も…厳しい工事現場の実情 東洋経済
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住宅を購入する人は、内覧で仕上げばかりに目が行きがちですが、本当に大事なところをちゃんとチェックしたほうがいいかもしれません。