これから1ヶ月のコロナの仮説を立ててみた:感染者数はもう無視しないと国が潰れるよ

永江 一石

しばらくやってなかったので第6波の総括

ここ数年、いろんな仮説をブログで書いてまして、当たったものもありますしそうでないものもあります。その検証本をアシスタントの由良さんと書いています。出版社はまだ決まっていません。

仕事でも、はたまた自分の人生でも仮説を立ててあとで検証を行い再仮説を立てるといういわゆるPDCAを回すことってとても大事です。

xxwp/iStock

多くの人はPDまではできてもCAができない。治療の専門家である医者はPDCAを回した経験がない。だからいまだにロックダウンだのマスクだの人流の制限など言う訳です。マスクが本当に感染拡大させない効果があるのなら、第6波なんて起きなかった。そういうとマスクがなかったらどうのこうのいうのだが、日本の第6波の大きさは世界でも非常に大きいほうだ。ちょっとはデータを比較してからいってほしい。

さて6月に入ってコロナにたいする関心が薄れ、各報道メディアのPVもかなり落ち込んだそうだ。いいことだ。

東京は第6波では

この通り1月からだけで陽性判定120万人。9割が喉が痛いくらいでは医者に行かないっていってるし、上海の無症状率は96%だ。東京の新規陽性には無症状も含まれるが、東京都のデータでは新規陽性の中の無症状率は6~7%である。

これはつまり中国のように都民全員を検査したら、陽性は13~14倍いたことになり、都民でオミクロンに罹患したのはほぼ全員ということになる。中国の「無症状」は実際にはどの程度かわからず、熱がないくらいの軽症も無症状と言っている可能性があるが、その場合でも都民の半分くらいが感染したと判断するのが統計がわかっている人というものだ。この時点でマスクをはじめとする古い時代の感染対策はほとんど効果はなかったと誰でも考えるだろう。

東京で4月に抗体検査をしたら罹患した証拠の抗体をもっているのが5%しかいないから罹患歴のある人は5%と言ってる医者がいたが、それなら第6波で新規陽性の合計120万人と整合性がとれないではないか(笑)。普通の頭で考えれば感染による抗体はすぐに消えるということである(ワクチンでも数ヶ月)。しかしそれでも再感染するとメモリーB細胞が光速で交代を造るのである。ソースは「はたらく細胞」ww

つまりオミクロンでは少なくとも東京は広く満遍なく感染が広がった。結果として

死者の総数はおそらく多くの直接死以外を含んで過去最大になった。その割に目立つのが重症の少なさである。第5波では高齢者のワクチンが流行直前に浸透して抗体が高いまま迎えることになり、重症者の大半は未接種だが体力のあるおっさんたちになって結果として死者が少なかった。しかし第6波ではブースターが遅れてピークであった1月下旬にまだ打ってなかった高齢者も多く、接種2回目から半年以上を経過していて死者が増えたものと思う。これ、岸田総理とワクチン大臣の責任です。

加えて感染力が強かったので他の死因でも死後に検査して感染が発見されたり、救急で運び込まれた時に検査で発覚したケースが非常に多かった。そりゃ都民の半分が一ヶ月程度で感染したらそうなって当たり前でしょう。

マスクしようがマンボウ出そうが感染は粛々と広がり、デルタ以前のファクターXが消失したこともあってかかりやすい人はおおかかかってたった1ヶ月で1月末にピークアウトした訳である。

ところでアンチ永江の粘着質が「永江はこのようにデマばかり言う、これが証拠だ」と、ご丁寧に永江語録↓を作ってフォロワーに送りつけているそうなのだが・・・ww

ほとんど的中!! www

おそらく私のいうことをデマという人たちは、人数の発表日が確定した日だと思っている。
↓こういう人も同様です。

実際にはオミクロンでは報告と入力が相当に遅れていたことは報道されていた。つまり本当のピークアウトは後にならないとわからないのである。で、後でみると東京のピークアウトは

1月の末なんである。ズバリそのとおりの予測をブログにも書いていたけど的中しました。時期まであたったのはマグレですけどね。

東京の保健所に総括で入っていた堀さんも

x.com

私も実際には陽性率を見ていただけなのだが、最初のうちはオミクロンの感染力がここまで強いとは考えてもみなかった。デルタの時の最高の陽性率に近づいたのでもうそろそろピークアウトかなと言っていたがあっという間に抜き去った。しかし陽性率の上昇が止まったのでそろそろピークアウトしますって言ってただけ。アホでもできる簡単な仮説です。ピークアウトの推測は陽性率の上昇が止まれば秒読みになるのは当たり前でしょう。

あとは途中で保健所がパンクして濃厚接触者の検査をしなくなったので陽性率が上がりっぱなしになってしまった。この時点で陽性率は判断の基準に使えなくなりました。途中で母数属性を変えないで欲しいわ。

さてこれから1ヶ月、どうなるかの仮説

世界との比較はもう無意味なんである。というのは勝利宣言をしたG7など先進国ではPCR検査も有料化され、米国は熱があったら3日休んでね、でおしまい。バカみたいに検査をしているのは中国だけです。
なので日本だけで推測します。

実はここ1週間ほど、新規陽性は増加してきている。

この理由はふたつあって、ひとつはオミクロンの変異株である。

コロナの感染拡大は、季節的要因でもなければ人流でもなく、ましてやマスクをするとかしないではなかった。単に競争力のある新しい変異株が出現すると波が来ていただけだ。そしていま、

アメリカでも

日本でも

オミクロンの変異株(青)である。マイナーチェンジ型と言っても良い。

ここしばらくコロナの感染が下火だったのは第6波の自然感染による抗体。そして高齢者を中心に2月あたりに打たれたブースターの影響もあった。厚労省のアドバイザリーボードのグタグタのデータは昨年の3月の人口を元にしており高齢者の非接種者数が実際より万単位で少なくなるため、報道されているように二回接種済みのほうが未接種より少し感染率が高いようになってしまったが、今年の人口で補正すると(5月現在)、感染防止効果は・・・

このようになる。この時点で若年層の2回接種でも半年以上経過し、高齢者は1年近く経過しているので感染防止効果はあるわけもない。3回接種でいうと65歳以上は3ヶ月経過。若年層はまだ打ったばかりである。この効果が綺麗にわかる。つまり感染防止効果はオミクロンにおいては

せいぜい2ヶ月はあるけどすぐに落ちる

ということ。感染防止効果を目的に打っても意味がないのです。年に6回も打ったら弊害の方がデカいでしょ。

で、いまは65歳以上の希望者に4回目を打っているが、ほとんどの人は回避して打たないので高齢者のブースターの感染防止効果はすでに切れているといっても良い。若年層に若干残っている程度かな。それがいままた感染拡大してきた理由だと思われます。しかしながら全く重症者がいないのは自然感染歴とワクチンの効果だと思われる。

リスクの高い高齢者はワクチンを3回も4回も打ち、それでも罹患して亡くなるのであればそれは申し訳ないがもう寿命です。それさえも許さず子供にマスクをさせてイベントを許さないというのは非人道的な仕業だと思う。第一それなら永遠に感染対策して経済を破壊し、円安とインフレで生活を破壊され続けなくてはいけない。

このオミクロン変異株のピークは?

仮にいま流行ってきたオミクロンの変異株が元祖オミクロンと同程度の感染力だとすると、前回同様ピークは7月末あたりになるはずです。参議院選挙は7月10日・・・・。経済界では岸田総理が参院選が終わったら経済を再開してくれるのではないか、入国制限を撤廃してくれるのではないかと期待していると思うが、岸田総理がいままでどおり感染拡大ガーという価値観であれば、選挙が終わったあとにピークが来るわけなので、GoToもなければ入国制限撤廃もマスク不要もあり得なくなる。

先進国はほぼコロナ終息宣言をしていまや誰も気にしていないのに、日本だけがいまだにコロナ規制を続けている。世界は呆れているわけでその証拠が

ほぼすべての外貨に対して日本円が売られている。

岸田総理はインフレをウクライナ侵攻のせいにしていたが、先進国は昨年にコロナ勝利宣言をしていて、好景気+インフレはウクライナのずーーーーーーーーーーっと前からです。岸田総理が「感染拡大キター」と騒いでまた規制をすればさらに円安。インフレ。

コロナ脳は「経済より命」というのが合い言葉だったが、すでに自然感染とワクチンが広がって感染してもほとんど誰も死ななくなっているコロナに過激に反応して、完全に日本が終わる未来が見えるのです。

願わくばオミクロンより早く感染拡大して参院選でええいえいおーの選挙事務所で一気に広がって岸田総理の支持率が下がっていただいたほうがよいのであるが、そんなことになったら誰も死なないのに支持率確保のために緊急事態宣言を出しかねない。ああ、本当に頭痛が痛い夏です。

わたしと音喜多君、立憲の中谷さん、自民の藤末さんの新刊「日本沈没を食い止めろ!」がでました。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2022年6月24日の記事より転載させていただきました。