政府が「解雇の金銭解決制度」の導入を政府が検討しています。労働者側は「安易なリストラにつながる」などと反発し、使用者側も解決金が高額になることへの懸念などから議論は低調になっているといいます。
20年以上同じ議論をしています。議論になっていないのかもしれませんが。これは大企業とその正社員の話で、いうなれば労使の談合です。
いつものことですが、議論が錯綜し、本質的なことは触れられていませんし、触れたくもないのでしょう。
終身雇用を支持する人たちがその既得権を手放したくないのは当然でしょう。そうでしょうが、その結果、失われた30年が40年になろうとしています。不本意にも非正規雇用に甘んじた人たちの人生は取り返せなくなりました。
副業に関してすら、議論があまり進んでいるように見えません。
けっきょく終身雇用は容易にブラック企業化せざるをえないということを「千と千尋の神隠し」を例にわかりやすく説明してくれています。
日本はいろいろな規制が強すぎて低迷しているだけだという指摘もありましたが、もう遅すぎるかもしれません。
派遣会社が関わって議論がこんがらがったのも、不幸の始まりでした。
結果、無理な配置転換をしても「追い出し部屋」と批判されてしまいます。
そもそもこの問題点はそれなりに複雑なので理解している人は多くありません。ジョブ型雇用もこの前提を理解しなければ画餅であります。
この差別的な制度はほんらいはリベラルが批判するべき制度のはずですが。そして、その正社員ですらも業界によって優勝劣敗が鮮明となり、多くは劣敗となることが危ぶまれます。
結局、なにがその原因かわかならいまま日本は衰退していきます。これまでに没落していった国家も、その当時の当事者たちはなんで没落しているのかわからなかったのかもしれません。