暴露系ユーチューバー当選に疑問符が頭の中を巡るばかり

ガーシーこと東谷義和氏がN党の比例で28万票強で当選したものの滞在先のドバイから当面帰国予定なし、よって8月の国会も欠席届と報じられています。そもそも詐欺疑惑で日本に帰国すれば警察が待ち構えているという暴露系ユーチューバーが当選する時代だとすれば国会も変わったものだと唸らざるを得ません。N党立花氏も東谷氏も既存の概念を変えようとするタイプですが、これに相当数の賛同者が存在するという日本の一歩進んだ「オタク現象」に対して真面目な性格の私には疑問符が頭の中を巡るばかりです。

では今週のつぶやきをお送りします。

株式市場は三角保ち合い継続

形はいびつですが、日米株式市場は三角保ち合い継続です。13日のCPI発表で上か下に放れるか注目していました。金曜日の株価は大幅高だったものの保ち合いの枠組みに収まったままです。よって26-27日に開催のFOMCまでじりじりとした動きになり、その間、米ドルだけは買われるという展開が想定されます。アメリカ経済ですが、インフレのピークは6月だったとみる声は確実に増えています。オオカミ少年と言われるかもしれませんが、私も当然ながら同意です。FOMCの利上げ幅がどれだけになるか、75bpを中心に50から100bpの予想の中での展開になりそうです。

仮にどういう利上げが行われたとしても市場のコンセンサスがこれでインフレのピークも過ぎ、FRBの強気の利上げ姿勢も終結という楽観視がでれば株式は買われると思います。また、利上げのピーク感からドルが売られ、他通貨が買われるという逆流が始まる可能性は否定できません。市場は常に先を見越しての動きであり、事実が起きた瞬間に別の風が吹くのです。「噂で買って事実で売る」という格言はまさにその意味で、個人的には非常に興味深い展開を予想しています。

実は私はひと月ぐらい前に手持ちの4分の1を売却したのですが、投資残がまだあるわけで、今、利食いすべきか、耐え忍ぶべきか悩んでいます。下がると売りたい衝動に駆られるのですが、もしも自分の信念が正しく、逆流が起きうるなら今が底ということになります。一方、今後、6カ月程度のうちにリセッションになると説く専門家も急増しています。景気後退になるとすれば影響を受けるのは人件費に行きつくでしょう。現在のアメリカの雇用環境は良すぎて労働の質は悪化しています。この辺りは世界経済を含めた読み合いですが、専門家も悩むほどの事態であることは間違いありません。

SeanPavonePhoto/iStock

人が宗教にはまる理由

人と宗教は古代から切っても切り離せない関係でした。理由は人は万能でもないし、未来が予知できないし、全員がそこまで強い精神力を持っているわけではないからです。地球上のあらゆるところで宗教が生まれ、そのうちのいくつかはしっかりした経典があり布教が進むことで地球儀ベースで展開しました。ユダヤ、キリスト、イスラム教です。日本は神道と言われますが、これはすべての人やモノに霊が宿っているとするアニミズムが背景で開祖も教義も経典もありません。ある意味、つかみどころがないため、祝い事など都合の良い時の神頼みになる一方、死んだときは教義がある仏教で葬儀をあげるのはそれなりに理があるわけです。

日本人に聞けば無宗教と答える人が約3分の2いるとされますが、その多くの方も過去に神社で賽銭をしたことでしょう。つまり神道を宗教として認識しておらず、特定の宗教に入れ込み、敬虔なる信者となり、お布施をすることでより信仰心の自意識を高めることを宗教とみているのでしょう。当然、例会で信者同士が会い、話をすることでその結束力は高まります。お布施もどんどんするようになります。

結局、人は地球上に発生した時と同じで弱いのです。祈りだけではなく、お金を差し出すことで自分が呪縛から解かれるという期待をし、お金を出さないと再び不幸が襲ってくると考えてしまいます。そんな馬鹿な、と思う方はしっかりしている人です。人は恐ろしく弱く、悪いことがいくつか重なればドツボにはまりやすいものです。自分の力で這い上がれなければ友人を頼り、出来なければ精神障害や自害もあります。選択肢の一つに宗教もあるわけですが、宗教は強弱感があるものの価値観の植え替えを行うため、一度入信すればなかなかそこから出られないのがどの宗教にも言えることだと思います。

イーロンマスク氏の賞味期限

私は長いこと、マスク氏を持ち上げ続けました。テスラが軌道に乗らず、工場に泊まり込み、友人に会えないと嘆きながらも細い紐一つの綱渡りで世界一の大富豪になりました。また、マスク氏の様々な事業開拓意識はすさまじく、スペースXは軌道に乗り、地上での超高速移動物体の実用化にも期待が高まっていました。が、マスク氏も人の子。やんちゃな顔も見せます。パーティーなどで踊り、トークし、得意満面のその顔はその域に達成した人ではないとわからない勝者の美酒であります。

が、日本人の私からすれば清貧、つまり金持ちになろうが、名声を得ようが生活を強く変えないのを良しとしています。なぜならお金も名声も人生の中では結果という付属品でしなく、それまでに築いたビジネスや社会的信用が全てであり、周りにちやほやされて踊るのは恥ずかしいほど別の自分に見えてしまうのです。それこそ自分のアバターにやらせておけばよいのでしょう。バフェット氏をはじめ、リアルの自分のスタイルを変えない人は数多くいます。

マスク氏が今回ツィッター買収に手を出した第一報の際、このブログで「個人的には評価しにくい」と申し上げました。彼の才能は別のところにあり、こんなことにエネルギーを消耗してほしくないのです。EVのテスラの市場の評価は夢追い新興企業から業績主体になる中で競合が今後、どっと増えることを考えればアウトスタンディングになりにくくなります。今週にはスペースXの宇宙船スターシップ用のブースターが試験中に爆発した事故もありました。マスク氏は「ひと夏の夢だった」と裸一貫に戻ることをいとわないのか、これがマスク氏復活のカギなのかもしれません。

後記
当地の領事館に弔問に行ってきました。驚いたのは弔問記帳には皆さん一ページぎっしり書き込んでいる方が多いこと。領事館の方が「なので、凄く並んでしまうんですよね」と。アジアの方が数多く記帳に来られたとのこと、本当に偉大な政治家だったと思います。亡くなってから評価が更に上がっているのは確実です。世界不和が多い中、我々が失ったものは果てしなく大きく、世界の損失でもあったと言えそうです。本当に悔やまれる事件でした。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年7月16日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。