東京地方裁判所は、福島第一原発の事故で、東京電力の元会長ら旧経営陣4人が会社への損害と与えたとして、東京電力に対して賠償をするように命じる判決を言い渡しました。国内では過去最高額の賠償命令とみられます。
しかし、13兆円を超える巨額の賠償額から払えるはずもない金額を個人に負わせる判決に、疑問を呈する声もあります。サラリーマン経営陣では13兆円も支払えません。
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責任論としてはわからなくもないけれど、天文学的な金額に疑問を呈する声があります。どうやって払うの?という声が多くありました。
司法の大暴走とも。請求額が青天井になったことに、経済界は衝撃を受けています。裁判所の見識も問われています。
13兆円超の賠償 またもや司法の大迷走だ
https://t.co/t4gDaFzNsA6月には、福島第1原発事故で避難した住民らが起こした集団訴訟で、最高裁によって国の賠償責任を否定する判決が出されたばかりだ。しかも個人の支払い能力を超越した天文学的な賠償額である。法廷の理性が疑われる。
— 産経ニュース (@Sankei_news) July 14, 2022
そんなこと言っても、請求されたら自己破産しかないですよね。
払えないと自己破産も
「株主代表訴訟」って何?賠償金払えないとどうなるの?東電旧経営陣に13兆円支払い命令
弁護士によると、東電には債権回収に努める義務があるが、旧経営陣が自己破産を裁判所に申し立てて免責許可を得られれば、債務が免除されます。 https://t.co/YZd5EgfClm
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) July 15, 2022
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たしかに、印紙代は気になるところです。22兆円の請求額なら、印紙代だけで約220億円になるとも言われています。
払えもしない13兆円の賠償金より訴状の印紙代の方が気になる。
— 猫組長 (@nekokumicho) July 13, 2022
ただし、株主代表訴訟は訴訟をしやすいように印紙代が極めて安くなっているそうです。また、賠償金は株主ではなく会社に支払われることもあって、請求額にかかわらず訴訟費用の印紙代は、一律で1万3000円とされています。
東電の代表訴訟の件、訴訟に必要な印紙代は請求する金額(訴額)によって決まるので、弁護士としては印紙代が気になるところ。ただ、株主代表訴訟は訴額が算定不能という扱いなので請求金額がいくらであっても印紙代は13,000円。
ちなみに普通の損害賠償請求で22兆円を請求すると、印紙代は約220億円…— 弁護士 関口 郷思(せきぐち さとし) (@sekiguchisatosh) July 14, 2022
でも、これではスラップ訴訟の恐れも出てきてしまいます。
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この判決で東電の株は下がったり、岸田首相の原発再稼働の記者会見を受けて上がったりと、どちらもみんなの勘違いから大きく変動しました。投資家の見識も問われています。
13兆円賠償で急落したけど、岸田首相の原発再稼働指示で急落分の2倍上がった。 https://t.co/qM6iVIquWl
— ササギ (@sasagi_network) July 14, 2022
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一方、刑事裁判でも業務上過失致死傷罪で強制起訴されていますが、一審は無罪となっています。
4人が控訴すれば、2審は東京高裁で争われます。