スリランカは経済破綻し、ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領は国外に逃亡し、強烈なインフレで人々は暴徒と化しました。
混乱を招いた最大の要因は農業の崩壊と言われています。過剰なまでに環境に配慮したため、地球環境を持続可能にする前に国家が持続不可能になりました。
ラジャパクサ大統領は、窒素肥料の使用を禁止して、有機農法への転換を図るため、2021年に化学肥料を禁止しました。このことで、作物の収穫量は激減し、同国の主要産業である農業に壊滅させました。米の生産量は、2019年と比較して40%以上減少してしまいました。
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スリランカの深刻な経済危機は、国家の破綻という最悪の事態にまで進んでしまいました。
大統領は国外逃亡し、政権は崩壊。秩序もなくなってしまい、民衆は暴徒と化しました。
中国の罠にハマったという見方もあります。
ラーム・エマニュエル駐日米国大使も、かなり堂々と中国を批判しています。
しかし、「債務の罠」を仕掛けたのは中国だけではないという指摘もあります。
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しばらくすると、「中国の債務の罠」よりも「有機農法への転換による農業への大打撃」が国家破綻のいちばんの要因だという指摘が見られるようになりました。
上記の杉山大志先生の分析によると、スリランカのESGスコアは98.1とほぼ満点で、スウェーデンの96.1を上回り、アメリカは58.7なのだそうです。
中国より恐ろしい「ESGの罠」、大統領が逃亡した破産宣言スリランカの誤算 化学肥料禁止で農業生産が激減した「グリーン優等生」の結末 | JBpress (ジェイビープレス)
スリランカは大規模な貧困、インフレ、燃料不足に見舞われ、首相は、国が「破産」したと宣言した。10万人規模のデモが起きて大統領府になだれ込んだ。ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領はモルディ(1/4)
オーガニック信仰が悲劇をもたらしたという指摘も。「なんとなくよさそうだから」といって大胆に国家の農業政策を転換するのは非常に危険なようです。
有機農法をチョイスするのは、一部のお金持ち以外は考え直したほうがよいのかも知れません。