もうすぐ会社員のフルローン・ワンルーム投資は不可能になる

東京オリンピック選手村跡地に建設される晴海フラッグ(写真は昨年のオリンピック開催時)は、昨年末の11月の販売では、最高倍率は111倍。今月から5回目の発売ですが、人気は更に過熱しています。

東京に限らず、世界的な不動産価格の高騰が続いています。居住用物件は、自分が購入して住む実需も、投資用ワンルームマンションもジリジリと価格を上げています。

直近の東京23区の中古ワンルームマンションの諸費用を差し引いた賃貸利回りは、4%を割れる水準になってきました。

年間の家賃が手取り80万円なら、物件価格は2000万円を超えるということです。更にこれが3%台半ばくらいまで下がるのではないかと予想しています。

その原因は、不動産が債券や株式などに比べ高いリターンが期待できることから、資金流入が始まっているからです。

従来の提携ローンで購入する個人投資家だけではなく、現金の運用を行う機関投資家や個人の富裕層の資金が新たな買い手として参入してきます。

ローンを使った投資家にとっては、金利差が重要です。しかし、現金購入なら調達コストは関係ありません。同じ現金投資が可能な他の資産との相対的な比較になります。
また、お金を借りなければ、将来の金利上昇の影響も軽微ですから、あまり神経質になる必要はありません。

もし、予想通りワンルームマンションの価格が更に上昇して、金利差が充分に取れなくなると、提携ローンを使った会社員のフルローンのワンルーム投資は不可能になります。

ある程度の自己資金が無いと、キャッシュフローがマイナスになってしまうからです。

ワンルームマンション投資とは、会社員が気軽にローンを組んで投資するものというコンセプトでは最早なくなるということです。

ここにきて、個人投資家の不動産の駆け込み購入が増えているのは、このような流れを先取りしようとしているのかもしれません。

Juergen Sack/iStock

8月が満席になり、9月に追加開催する【借入総額20億円!】2人合わせて150戸のワンルームマンション投資家が考えるこれからの不動産投資戦略セミナーも、既に残席4名となりました。今までに無いペースでのお申込みになっています。

最終列車の発車時間が、いよいよ迫っている。そう思うのは、単なる私のポジショントークでしょうか?


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年7月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。