経済の素人の医者にも責任はある
コロナ禍が始まった頃、緊急事態宣言にわたしはずっと反対してきました。
理由は2つで
1. どれだけ効果があるのか不明
2. 経済が破壊されれば自殺が爆増する
1.についてはとっくに先進諸国は効果はないと判断。要するに「ロックダウンをした国としない国で死者数は変わらない」というのが明らかになっているからです。死者数が変わらないなら経済をぶち壊してまで制限をする必要が無い。
鎖国に近いことをして当初は絶賛されたニュージーランドと台湾と日本の累計の死者数です。
↑は累計なんですが、過去120日間に絞りますと
オミクロン株でニュージーランドも台湾も日本の比ではないくらい死んでいます。高齢者のワクチン接種率と自然感染の少なさから来る抵抗力の無さでしょう。厳しい規制をして当初は感染拡大を抑えても結局はそうしなかった国より死んでしまうなら意味はないのです。それがわかったから先進国ではもうロックダウンなどしません。ニュージーランドも経済全開です。観光もとっくに再開しています。していないのは日本だけです。
ツアーのみ。マスク矯正。監視がついて買い物にも行けないのに外国人観光客がくるわけない。日本の感染者数はいまや世界でも多いのに来日観光客を徹底的に制限することに何の意味があるのだろう。算数もできない国民に安心を与えるためか。
先日、厳しいコロナ規制をした国のほうが経済の打撃が少ないとTwitterで言っていた医療関係の人がいた。トンデモ理論ですがどこから持ってきたのだろう。昨年からコロナ規制を全廃した欧米は今超好景気のインフレ。
今、世界で最もコロナ規制が厳しいのは未だ鎖国に近い日本と中国。経済はボロボロ。医療関係の人は経済の話はしない方がいいと思う。いままでも「日本は経済が強いから何年も経済を破壊しても平気」とか、「経済が破綻して自殺が増えるなら精神科医を増やせばいい」とまでいっていた医者もいました。
東大の経済の専門家が算出したコロナ禍の自殺超過
2020年当初から私が一番危惧していたのがコレです。
実際どのようになったのか。専門家が試算しています。
まず前提として、自殺と認定されるためには警察が自殺と断定しなくてはなりません。バブル崩壊の時は累計で10万人の自殺者が増加しましたが、その何倍もの行方不明者が出ています。これらは自殺とはされません。また飛び込みにしても、足を滑らせたのか、そうでないのかは遺書の有無などで判断されます。そこで、東大のチームは超過死亡からコロナ禍の自殺を推定しました。
2020年3月から2022年4月までの超過自殺は約6995人!!!
コロナの同時期の累計死者は29000人。うち4割がコロナが直接死では無いので18000人ほどです。ほとんどが余命わずかな高齢者。コロナの対策で何人の高齢者が助かったのかはわかりませんが代わりに若い世代が7000人自殺しました。
コロナ禍で失われた余命は、高齢者のそれと若者の自殺でほぼ同じ
グラフにするとよくわかります。
わたしは何度もこの数式を紹介してきました。
■Y=1.949X+14.345
この式の係数から、失業率(X)が1%上がると、自殺率(Y)は1.949上がると推計できる。人口を1億2000万人と仮定すると、実数でみて年間の自殺者が2339人増える計算になる。2017年の労働力人口は約6720万人なので、このうちの1%、つまり67万人の雇用がなくなると2339人の自殺者が出る恐れがあるということになる。
実際の失業率推移はこうなりました。
亡くなったのは20代の女性がメインとなりました。
論文を見て頂きたいのですが、子どもも多く自殺しています。
北大も同様の研究の発表をしています。
新型コロナで自殺率増加が明らかに 女性と若年層で顕著に 北大ら
こちらの推計では女性と若年層で自殺率が顕著に増加。過剰死亡数は、それぞれ、男性1,208人、女性1,825人と推定。合計で3033人。東大のシミュレーションよりは少ないですが、それでも相当な数です。
地獄の釜の蓋は開いたばかり
NHKのクローズアップ現代です。
“コロナの借金”が返せない!? ゼロゼロ融資・42兆円の反動
オンデマンドで見られます。私は見ました。
「月々の負担がしんどくて、毎月ずっと返すのは継続できそうにないというご相談をいただいています。返済していたら“やっぱりしんどい”というケースは徐々に増えてきています」
「一番ひどい状態で企業さんがお手上げをされる、いわゆる“突然死”的なことも起こりえます。そういうリスクがこのゼロゼロ保証にはあります」
コロナ禍で国はジャブジャブに貸し付けを行った。償還が始まるのにまったく返済のめどが立たない企業が多数ある。もちろん元から経営が行き詰まっていた企業も多く、単に延命されていた側面もあるが、必死にやっていても全く返済のめどが立たない企業もたくさんあるのだそうだ。観光や飲食、宿泊などは非常に厳しい。
多額の融資を受けた結果、企業がもし返せなくなり貸し倒れてしまうと、補償する財源の一部は最終的に国のお金=税金から穴埋めをすることになります。つまり影響を受けるのは私たちということになるのです。
経営者や企業の目線から番組は作られていました。しかし実際には多くの失業者が出ることになります。
まだ返済も本格的に始まっていないのに融資後の倒産が激増してきているのです。
このまま返済ができずに倒産する企業が激増することは明らかで、そうなると
●倒産が続出し、失業者があふれ出す → 自殺者増加
↓
42兆円の中から多くが返済不可になり、返済を税金で行う
↓
増税
という負のスパイラルが開始されます。これを回避するには景気の回復しかないのに、いまだ日本政府は先進国ではあり得ない世界で最も厳しい経済規制を行い、円は暴落。いまやトルコリラ以外でほぼ円安です。日本以外の各国からは「日本が感染拡大して何をオタオタしているのかわからない」とされていて、世界中が好奇の目で見ると共に、外務省には「日本が世界経済の足を引っ張っている。入国規制を撤廃しろ」とたくさんのクレームが来ているそうです。
国葬だとか、そんなことで国会を空転されている時間はもうないのです。
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2022年7月25日の記事より転載させていただきました。