東京の鉄道インフラと「カーマは気まぐれ」の個人的関係

不動産価値の上昇要因の一つが、鉄道インフラの整備です。日本経済新聞電子版は、東京でこれから予想される3つの鉄道路線の延伸・整備の予定を紹介しています。

まず、2030年代半ばの開業を予定している東京メトロ有楽町線の延伸です(図表を元記事で見る)。ルートは、現在の有楽町線の終点である豊洲駅から東陽町駅を経由し、住吉駅までになります。

Jui-Chi Chan/iStock

豊洲と東陽町の間に枝川駅(仮称)、東陽町と住吉の間に千石駅(仮称)が新設されるそうです。新駅周辺は利便性が飛躍的に高まります。これは、不動産投資家には見逃せない情報です。

2つ目が、東京メトロ南北線の白金高輪駅から品川駅までの延伸です。こちらも同じ2030年代半ばの完成を目指しています。品川駅はJR東海のリニアモーターカーの始発駅になる予定ですから、これが完成すればターミナル駅としての魅力が更に高まります。

さらに、東急電鉄東急多摩川線の矢口渡駅と京急蒲田駅の間の1.7キロメートルを結ぶ新空港線も計画されています。これは、通称蒲蒲(かまかま)線と呼ばれ、完成すれば都心から羽田空港への利便性が高まるメリットがあります。

接続方法がどのようになるかは、これから詰めていくようです。もし、現在の東急多摩川線と接続されて、東急東横線と東急多摩川線も直通運転するようになれば、渋谷や池袋から羽田空港まで直通運転が実現する可能性もあります。

どれも少し先の話ですが、東京のインフラ整備は街の再開発だけではなく、輸送網の追加によってもこれから進み、それによる人口集積が進むと私は見ています。

ここからはどうでも良い話ですが、東京の鉄道インフラ整備の話題に蒲蒲線が出てくる度に、私の頭の中にはいつもカルチャークラブの「カーマは気まぐれ(カーマ・カメレオン)」という1980年代のヒット曲が駆け巡ります。

サビの歌詞が「カマ、カマ、カマ、カマ、カマ、カメレ~オン♪」と

今日もこのブログを書きながら、また同じ現象が起こってしまいました(笑)。

調べてみると、この曲がヒットしたのは1983年で私が大学2年で19歳の時です。そして蒲蒲線が完成する頃には、私は恐らく80代。時間が流れるのは早いものです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年8月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。