バレエ・アステラス@国立劇場

「バレエ・アステラス」2022@新国立劇場。

新国立に来るの、柿落とし以来。柿落とし公演は、吉田都&熊川哲也を招いた「眠りの森の美女」だった。懐かしいなぁ〜。

すっかり忘れてたけど、素敵な劇場ね。フォアイエやテラスは広いし、席は前の人の頭が邪魔にならない傾斜だし。

舞台全景にものすごくデジャヴュ。今日の席、20年以上前に座った席とほぼ同じ場所だと思う。

「バレエ・アステラス」は、海外で活躍する日本人ダンサーを招聘しての公演で、毎年やってるらしい。

見にきた目的は、クララ・ムーセーニュ。日仏ハーフのクララは、オペラ座学校時代から優等生で、2020年9月にトップ入団、翌年のコンクールでコリフェに進級している、実力派。未来のエトワールになるだろう、と目されてる。パリではこの春、「ラ・バヤデール」で、とってもかわいいマヌー踊った。

今日は、ロイヤルのアクリ・瑠嘉と共に、サン=レオン振付「コッペリア」。きれいな技術に初々しさとチャーム、そしてパリ国立オペラ座らしいエレガンスを加えた、素敵なスワニルダ♪

衣装も素敵〜。20年のオペラ座学校公演時にクララ用にあつらえた衣装だったのだけど、学校公演はコヴィッドで潰れてしまい、今回がこの衣装の初披露。ふんわりレーシーなスカート、とってもオペラ座的。それをクララが上手に触って、衣装をさらに引き立ててる。

クララ以外で好きだったのは、NDT1の刈谷円香&ルカ=アンドレア・テッサリーニ(ゲッケの動振付の魅力が、よく伝わってくる〜)、ベルリン国立バレエの奥野凛(キレあるし、ポルト”され”上手)、新国立の池田理沙子(去年、テレビで見た「コッペリア」もよかった)。

東京フィルハーモニーの演奏がなかなかよいのも、いいな。管がきれいだし、指揮者の力量もあるのでしょう、バレエ伴奏として心地よい表現。「管、パリオペラ座よりいいですよね、、、」と知人とうなずき合う。

パリオペラ座のジェルマンが見に来てる。ダボダボパンツで美しいお脚を隠しててもったい。知人と、数週間前に見たそれはそれは素晴らしかった彼のアルブレヒト話で盛り上がり、「あの役は、技術とは別に、倒れ方やマントの落とし方もとっても大切ですよね〜」と、しみじみ。久々の新国立で、楽しい午後。世界で活躍する日本人ダンサー、みんながんばれー。


編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々4」2022年8月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々4」をご覧ください。