信頼できるお金のアドバイザーの見つけ方

パーソナルトレーニングのトレーナーが、ぽっちゃり体型で締まりが無かったら、そこに通おうとは思わないはずです。美容クリニックの先生のお肌が荒れていれば、なんだか不安になってしまいます。ファッションアドバイザーの洋服がイケてなければ、依頼しようと思いません。

それと同じように、お金に関する相談は「お金持ち」の人にしか相談すべきではありません。お金持ちとは、お金をたくさん持っている人ではなく、自分に必要なお金を保有して、お金の不安から解放されている人のことです。

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お金の場合の問題は、体型、肌質、ファッションなどとは異なり、目に見えないので、会っただけでは信頼して良いのかどうか判断ができないことです。

そこで、お金の専門家に相談する場合、まず素直に「ご自身はどれくらいの資産をどのように運用していますか?」と聞いてみると良いでしょう。

こちらも自分の資産状況を開示して相談するわけですから、ある程度の情報の開示をこちらからも依頼したとしても、失礼には当たらないはずです。

もし個人情報だからなどと言い訳して、答えられないという人は、人に勧める資産運用アドバイスを自分ではやっていない可能性があります。

自分でやったことの無い人からのアドバイスには問題があります。特に実物資産への投資となると、経験者も少なくインターネットなどで情報収集しても正しい情報とは限りません。実際に経験していないと、また聞きの誤った情報を伝えてしまう可能性があるのです。

最近は、お金の不安を解消するために投資をする人が増えてきたため、資産運用アドバイザーも増えています。しかし、中にはとんでもない「ヤブ医者」のようなお金の専門家も含まれています。

玉石混淆から玉だけを見つけ出すには、その人自身がどのような資産運用をやって、どのような結果を出しているのかを教えてもらうのが1番です。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年8月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。