ネットで炎上した金融庁とひろゆきの動画が、新聞でも話題になっています。
特に「民事訴訟の詳細は承知していない」というコメントには、いつも金融庁検査でいじめられている金融業界から、批判が殺到しました。
金融庁の高田英樹総合政策課長は、パリ在住時代にひろゆきの個人的な友人になったそうですが、金融庁プロパーではなく、去年まで財務省の主計官でした。金融実務を知らない高田さんのために、ひろゆきの「前科」を解説しておきましょう。
ひろゆき氏は、名誉毀損で訴えられ、敗訴し、2021年10月に、60万円の損害賠償金を支払いました。ひろゆき氏は、今まで訴訟で負けても、賠償金を支払ったことがなく、約30億円の支払いを無視してきたと告白しています。
以前は、勝訴しても、被告が資産を隠し、支払いを無視すれば、原告は何もできませんでした。ひろゆき氏は、その状況を逆手に取り、わざと裁判に負けて、支払いを無視し、時効を待つ戦法を取っていました。
しかし、2020年4月に、財産開示手続きの法律が改正され、賠償金支払いを逃げると、刑事事件化することになりました。ひろゆき氏も豚箱に入れられては困るので、賠償金を支払ったということです。
つまりひろゆきは判決を無視しても財産を差し押さえることができないという法律の抜け穴を悪用して、賠償の支払いをまぬがれてきたわけです。これに対応するために民事執行法が改正され、判決を無視した場合には刑事罰が課されることになりました。
2020年4月1日に、財産開示手続きの法律が改正されました。不出頭や虚偽の申告の場合、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金(刑事罰/改正民事執行法第213条第1項)となりました。
こういう脱法行為を繰り返して法治国家の秩序に挑戦している人物を銀行が広報動画に使ったら、金融庁検査で引っかかって営業停止じゃないでしょうか。
マスコミも、こういう法治国家の秩序を公然と無視する人物を使ってきました。
日本維新の会も、広報動画にひろゆきを使っています。ダイヤモンド社も、ひろゆきの本を出しています。
ひろゆきのような「裏社会」の人物が裏で人気になるのは、南米やイタリアなどではよくあることですが、コンプラのきびしい日本で、官庁や政党が脱法行為を奨励するのはいかがなものでしょうか。