ウクライナの原子力庁は、ウクライナのザポリージャ原子力発電所に対し、ロシア軍が終日にわたって繰り返し攻撃したことを非難し、水素漏れや放射性物質拡散の恐れがあると発表しました。同機関は、ロシアによるこの攻撃は、全世界の安全保障に対する脅威でもあると付け加えています。
一方、ロシア国防省は、ウクライナ軍が終日にわたって同原発に砲弾を撃ち込んだと発表しました。欧州最大のザポリージャ原発は3月以降、ロシア軍の支配下に置かれています。
Zaporizhzhia nuclear power plant reconnected to Ukraine’s power grid, nuclear operator says | CNN
Ukraine’s Zaporizhzhia nuclear power plant, which is currently held by Russian forces, has been reconnected to Ukraine’s electricity grid, the country’s nuclear...
同機関は今のところザポリージャ原発周辺の「原発の放射線レベルは正常」としていますが、安全への懸念が高まっています。
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近くIAEA(国際原子力機関)は調査団を派遣することになっています。
調査団の訪問を前に、露軍側は原発で働くウクライナ人職員に、実情を話さないよう圧力を強めているとの見方もあります。
しかし、報道に矛盾も見られます。
ゼレンスキー大統領は、放射能災害を回避するために、バックアップのディーゼル発電機が直ちに作動したと発表しています。
今のところ放射能は漏れていないということです。
世界に与えるインパクトは計り知れません。
ザポリージャ原発はウクライナの電力の約2割を発電しています。送電網からの切断が長引けば、寒さが厳しいウクライナの人びとにとって影響は甚大です。