のぞみの車掌は「風紀委員」なのか?

大阪の講演のために、JR東海の新幹線で新大阪までやってきました。休日ということもあってか、車内は大変混雑していたようです。

のぞみは、シートも快適で好きな乗り物の1つですが、今回は車内アナウンスに閉口しました。

一言で言えば、必要のないアナウンスが多すぎて、落ち着かないのです。

まずはコロナ対策です。座席を向かい合わせにしないようにという注意から始まり、会話を控え、なるべくマスクをする。さらには、車内で寝る時にもマスクを着用という念の入れようです。

そして、今度は席の利用方法の注意が始まります。次の駅で乗客が乗ってくるかもしれないので、隣の席に荷物を置かないように。そしてゴミを席に残さないように車内美化への協力を要請し、車両ごとの車両前方か後方かというゴミ箱の位置まで念入りにアナウンスしています。

さらに駅の到着が近づくと、背もたれは元の位置に、棚の荷物を下ろす時に注意、降りる準備をして席に座って待っているように、チケットや携帯の忘れ物をしないようにと、細かくあれこれアナウンスが続きます。

日本語では、箸の上げ下ろしのような些細なことまであれこれ指図するのに、英語では「〇〇駅に到着します、右側のドアが開きます」といつもの定型文しか言いません。

細かいアナウンスになったのはマナーの悪い乗客が増えてきたからなのかもしれませんが、私は過剰なアナウンスは必要ないと思います。もしやるのなら、むしろ日本のマナーを良く知らない外国人に対して英語で同じように説明をすべきでしょう。

車内アナウンスのマニュアルが変わったのかもしれませんが、「風紀委員」のような細かすぎるアナウンスが何とも気になるのぞみの車内でした。

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編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年9月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。