『20〜59歳で未婚の人のうち、仕事をしていないだけでなく、ふだんずっと一人でいるか、そうでなければ家族しか一緒にいる人がいない人たち。そんな友達や知り合いとの交流がまったくない無業者のことを「孤立無業者」、英語では「スネップ」と呼んでいます』p3
『孤立無業は2000年代に急増、2011年時点では162万人に達し、60歳未満未婚無業者の約六割を占めている』p36
『スネップは元来、男性、中高年、中学卒ほどなりやすいといった傾向が見られた。ただし2000年代に入ると、20歳代がスネップになりにくい傾向は弱まり、若年未婚無業者の孤立が深刻化している』p72
『必要なのは、なんとかして孤立無業に「出会う」ことです。スネップ本人が自分の力だけでは踏み出すことができない以上、他者のほうから働きかける。つまりはアウトリーチによって上手に「おせっかい」することが肝要です』p202
『孤立無業』(玄田有史, 2013)
友人との交流が一切なく、仕事もしていない人たちを「孤立無業者(スネップ)」と玄田有史先生が定義し、その実態を発表したのが本著です。
162万人がスネップであると警鐘を鳴らしていて、2016年は求人増加したもののスネップは156万人と横ばいです。無職の方が孤立すると労働意欲が損なわれ、社会全体で仕事が増えても必ずしも職場復帰しないためでしょう。
玄田先生はアウトリーチの必要性と、支援者の担い手が必要だと提言し続けています。
さて、9月9日は宇和島にいます。政府がすすめる地方版孤独孤立プラットフォームに宇和島も採択されており、その関係会議に出席することになっています。
宇和島でも、食材提供を通じたアウトリーチにより、孤立した方へのつながりをつくり、支援に繋げられるかも実証していく予定です。
編集部より:この記事は、一般社団法人RCF 代表理事、藤沢烈氏の公式note 2022年9月9日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は藤沢氏のnoteをご覧ください。