国際通貨基金(IMF)は11日、最新の世界経済見通しを発表しました。そこでは「最悪はこれから」との見通しを示しました。イギリスの減税政策も、物価上昇を助長すると批判しています。
世界の経済活動は広範かつ予想以上に急激な減速を経験し、インフレ率は過去数十年で最も高い水準にある。生活費の危機、ほとんどの地域での金融引き締め、ロシアのウクライナ侵攻、長引くCOVID-19の大流行などが、見通しに大きな影響を及ぼしている。
世界の成長率は2021年の6.0%から2022年には3.2%、2023年には2.7%に減速すると予測される。これは、世界金融危機とCOVID-19パンデミックの急性期を除けば、2001年以降で最も脆弱な成長の分析結果となる。
世界のインフレ率は2021年の4.7%から2022年には8.8%に上昇するが、2023年には6.5%に低下し、2024年には4.1%になると予測される。
金融政策は物価の安定を回復する方向に舵を切るべきであり、財政政策は金融政策と足並みを揃えて生活費の圧迫を緩和することを目指すべきだ。
生産性の向上と供給制約の緩和により、インフレとの戦いをさらに下支えすることができる。また、グリーンエネルギー移行を迅速に進め、分断を防ぐためには、多国間協力が必要である。(IMF世界経済の見通し 2022.10.11)
最後の段落が結果ありきの付け足したかのような結論ですが、それよりも、その経済成長予想に注目が集まりました。
G20でも、各国の急速な利上げによって、世界経済減速させる懸念を共有しています。
そんな中で、2023年の成長率予測は日本がG7でトップということになっています。
2022年の名目成長率は日独が逆転してしまう見通しですが、来年のドイツの成長率はマイナスとなります。
欧州経済は、物価は上がり成長率は停滞するという深刻な予想となっています。
世界経済は、とにかく暗い話題が続きます。同じくIMFはこれから2026年までに、世界経済は4兆ドル(約580兆円)分のGDPを失うと予測しています。
ドルの上昇は世界経済が回復するまで続く公算が大きいとの見方がありますが、それはいつのことになるのでしょうか。
日本が相対的に浮上しているように見えますが、これをどう捉えるべきでしょうか。あくまで予想なので、今後もっと楽観的な予想に修正されるといいですね。