企業が従業員に支払った休業手当を国が補助する「雇用調整助成金」(雇調金)のうち、コロナ下での不正受給が総額135億円になったということが明らかになりました。ただし、102億円はすでに回収されているとのことです。
厚生労働省は、コロナ禍を受けて雇調金を拡充した2020年以降、雇用保険に非加入の非正規労働者らの休業手当を補助する「緊急雇用安定助成金」も含めた不正受給額を集計しているとのことです。
■
迅速化・簡略化したのが問題だと言われていますが、当時の雇用調整助成金の窓口はパンク状態でした。
当時は出すべきだという意見も多かったし、出すべき局面でもありました。
一方、朝日新聞が騒ぐ割には全体と比べて不正が少ないとの指摘も。
雇用調整助成金がインフレ対策になったかもという指摘もあります。
■
ただし、この後始末はどうなるのでしょうか。
ほんとうの問題はこれから顕在化するという見方があります。「企業倒産」も抑制し、「社内失業」も温存しました。
日本の雇用調整はいびつな形となっています。
雇用調整助成金の問題は、図らずもほんとうの日本の課題を浮かび上がらせました。