男の子育て(第1回):今日からやろう!読み聞かせ

荘司 雅彦

最近、子育てに頑張っている男性諸氏も多いこと思う。

私が娘の中学受験に付き添っていた頃は、塾の説明会に出てくる男性はほとんどいなかった。

100人くらいの中で1人でも男性を見つけると、ホッとした気持ちになったものだ。

このあたりに関しては、拙著「中学受験BIBLE」に書いた覚えがある。

しかし、今の時代は男性が積極的に子育てに参画する時代だ。

私は、かなり子育てに取り組んできたという自負があるので、これから数回にわたって私の体験を「男の子育て」として書いていこうと思う。

少しでも男性諸氏の参考になれば幸いだ。

娘が小学生に上がる前、言葉もたどたどしかった頃、私は何度も娘に言い聞かせた。

「約束は守らなければならない。どうしても守れなかった時は、言い訳せずに謝ること」

「嘘はついてもいいの?」という問いに対しては、

「時と場合によっては嘘も必要だ」と答えた。

嘘も方便と言うが、余命宣告を本人に敢えてしない方がいいケースを想像していただければご理解いただけると思う。

しかし、約束は守るべきだし、言い訳が先行するのは好ましくない。

頻繁に約束を破る人間はそもそも信用されない。

約束を破った方は忘れていても、破られた方はなかなか忘れないものだ(約束を破った人物の顔が頭に浮かんだ人もいるだろう)。

また、待ち合わせ時間に遅れた相手が「仕事が遅くなってしまって・・・」と開口一番口にすることがよくある。

しかし、仕事は相手の都合であり待たされた自分には関係のないことだ。

言い訳する前にまず謝罪すべきだ。

幼稚園に入る前だったかどうか忘れたが、私は早い時期から絵本の読み聞かせをやった。

一度「笠地蔵」の絵本を読み聞かせたところ、妻が「マイちゃんが、この間お父さんが読んでくれた笠地蔵がとっても面白かったと言ってたよ」と私をおだてた。

妻のおだて戦略に乗せられた私は、その後、毎日のように娘に絵本を読み聞かせた。

最初のうちは近くの書店に行って買い込んできたが、ひらがなが読めるようになると娘は絵本コーナーの前にヤンキー座りをして、どんどん絵本を読破していった。

書店に申し訳ないので、私自身の本もたくさん買って見逃してもらった。

小学校の何年生だったか、「ハリーポッターと賢者の石」を読み聞かせていたが、途中で眠くて挫折してしまい、しばらく放置してしまった。

したところ、娘は自分で続きを全部読んでしまった。

同作のDVDを家族3人で観ていた時、幼い娘に次の展開を教えられる始末だった。

読み聞かせは多忙な父親でも短時間でできる。

短い絵本なら1日10分でも大丈夫だし、「次は明日」の方がかえって子どもの想像力がたくましくなる。

男の子育て第一回は「今日からやろう!読み聞かせ」だ。

kohei_hara/iStock


編集部より:この記事は弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2022年10月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。