ワクチン先進国イスラエルと英国ではもうほぼ接種されてない

藤川 賢治

Aleksandra Aleshchenko/iStock

日本は第8波? ワクチン先進国イスラエルと英国は?

  • 日本は第8波に入ったかもしれない
  • 第7波と第8波の谷間は昨年のオリンピックごろの最大値より上
  • ワクチン先進国イスラエルと英国は波が来ているように見えない
  • 2022年1月に規制解除方針を宣言しブースター接種はほとんど射たれてない

グラフは横軸が時間推移で、縦軸は上から人口当りの新規陽性者数、死者数、ブースター(3回目以降)接種数です。1番目のグラフから日本は第8波に入っているといえるかもしれません。第7波と第8波の谷間は、昨年のオリンピックごろの最大値より上となっており、検査・マスク・ワクチンといった感染対策で状況が悪くなったと考えています。

一方で、かつてワクチン先進国であったイスラエルと英国は2022年1月に全ての規制を止めることを宣言し実行していきました。過去最大の陽性者を出していたにも関わらずです。2番目のグラフから死者も最悪期より減ったとはいえ日ごと100万人中3人またはそれ以上出ていたことが分ります。

日本のコロナ死者が100万人中3人以上になったことはありません。イスラエルや英国ではその頃からワクチン接種がほとんど行われなくなったことが3番目のグラフから分ります。ブースター接種を今でも推進している日本とは対照的です。

イスラエルと英国はマスクしてワクチン接種しても感染は拡大するし死者もこれ以上は減らせないのが誰の目にも明らかになったので、政府は対策の効果をあやふやにするため規制を撤廃に踏み切ったと筆者は見ています。

イスラエルでは既に98%が接種者扱いとならない

  • 2022年11月8日現在、必要回接種数済みと見做されるのは全人口の2%
  • 残り98%は未接種か有効期限が切れた人達

イスラエル公式コロナ関連ダッシュボードによると、必要回接種数済みと見做されるのは2022年11月8日現在、全人口の2%程です。残り98%は未接種か有効期限が切れた人達となっています。

イスラエル・英国と日本とを全死因死者で比較

  • 100万人当り全死因死者は日ごと12人〜40人
  • 英国の死者が多かったのは第1波と第2波の時期のみ
  • 日本の方が高齢化で死者が多いが、コロナ前は気にしていなかった
  • コロナで死者が出ることを気にしなければ普通に生活できる

イスラエルと英国で第8波に入ったように見えないのは積極検査をしてないからかもしれません。感染は広がっているのかもしれません。しかしそれでよいのです。騒がなければコロナ禍は起きないのですから。

グラフは日ごと100万人当りの全死因死者のグラフです。日ごと100万人中12人〜40人の死者が出るわけで、コロナで数人の死者が出ることは全体の死者数から見れば大きな問題ではありません。イスラエルや英国で幾らコロナ死者が多かったとはいっても、英国の第1波と第2波を除けば、日本の方が人口当りでコロナ以外の要因での死者が常時ずっと沢山出ているのです。

日本の死者が多いのはもちろん高齢化が原因ですが、コロナ前はそれだけ人が亡くなっていても誰も気にしていませんでした。今や全死因死者の平均年齢よりコロナ死者の平均年齢の方が高いのです。全員では無いにせよ多くの人にとってコロナで死ぬのなら大往生でしょう。

コロナでの死者で気にしなければ普通に生活できます。そのためには検査して陽性者数で騒ぐということを止めないといけないし、マスクとワクチンが無いと大変なことになるという考えを捨てないといけないと考えています。

【訂正(2022/11/16)】 英国でほぼ接種していないのは50歳未満に限る

ツイッターで英国では9月から65歳以上、10月から50歳以上が絶賛接種しているという情報を頂きました。グラフは縦軸が100万人当りの新規接種数で、Our World in Data からデータを取得しています。英国では接種状況のデータが 9月頭以降確認できなくなっており、どうやら公表しなくなっているようです。

ですから英国に関しては、規制解除を宣言した1月頃から接種は減っていき、今も50歳未満はほぼ接種していない、となります。

お詫びして訂正致します。