W杯の経済効果は2兆円でも経費は東京五輪の30倍の42兆円?

いよいよFIFAワールドカップカタール2022が始まりました。寝不足との戦いが始まった方も多いと思います。日本代表は23日に1次リーグの初戦でドイツと対戦します。

その開催国であるカタールは、W杯が自国経済に与える経済効果を2兆2915億円と想定しているそうです。

カタールの首都・ドーハ franckreporter/iStock

この経済効果額は、2019年のカタールのGDPのほぼ9.4%に相当するとのことです。ちなみに、カタールの人口は茨城県と同程度の293万人、面積は秋田県と同程度の1万1,400km2程度となっています。

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そもそも経済効果を算出する理由は、その事業を実施することによって地域内に経済的な価値をもたらすかどうかを見極めることにある。オリンピック・パラリンピックをはじめとする大規模イベントはその経済的価値が高いことも招致に際しての地元企業や地域住民へのアピールポイントになっていた。ただ、経済波及効果が期待できるという点を過度に...

しかし、スタジアム建設などの経費は32兆円とも42兆円とも44兆円とも言われています。昨夏に開催された東京五輪大会経費の1兆4000億円の約30倍にものぼるとか。

決勝戦の行われるルサイル・スタジアム Shakeel Sha/iStock

カタールW杯には買収疑惑や人権問題などの批判も起こっています。それに対してFIFAのジャンニ・インファンティノ会長は、カタール批判は「偽善」と非難しています

一方、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は、最終的な大会経費の総額が1兆4238億円になったと報告しています。これに対する非難も多いです。が、カタールとは文字通り桁が違います。日本の中抜きのスケールの小ささはもっと検証されてもいいのかもしれません。

ちなみに、決勝戦チケット値段はカタール大会はW杯史上最高額になっています。

1990〜2022年W杯の決勝戦チケット値段比較。カタール大会が史上最高額に – ALLSTARS CLUB

決勝戦におけるメインスタンドとバックスタンドの座席は5850カタールリヤル(約21万円)になるそうです。これなら転売の心配がないかもしれません。

「資本主義の晩鐘のイベントであった」みたいなことを後世の人びとに言われないといいですね。