飲食店に1回行っただけでダメ出しするのは勿体ない

今週出かけた白金台にあるイタリアン。夏以来の2回目の訪問でしたが、1回目はテーブル席で食べました。その時の印象は、正直あまり良いものではありませんでした。確かに美味しいとは思いましたが、お店の雰囲気がなんとなく自分に合わない気がしたのです。

カウンターに予約が取れると言うことで、もう1度お願いして、今度はシェフの目の前でいただきました。

お料理が次々と調理されていくのを見て、ワインを飲みながら出来立てのお皿を食べていると、前回よりも味わいが数倍パワーアップしたように感じられ、評価は急上昇。また次回も来たいとさえ思うようになりました。自分でも説明できない不思議な感覚でした。

同じようなことが、南麻布にあるミシュラン三ツ星の中華の店でもありました。初回は大きな個室で大人数だったのですが、その時と2回目に4人で伺った時で、印象が随分違ったのを覚えています。

このような経験から言える事は、飲食店に一回行っただけで、そのお店の評価を決めてはならないと言うことです。

7maru/iStock

私の場合、テーブル席よりもカウンター席が圧倒的に好みで、和食だけではなく、イタリアンやフレンチ、中華でも可能な限りカウンター席をリクエストするようにしています。

座席だけではありません。その日の自分の体調や、一緒に行く人の顔ぶれ、頂くワインやお酒など、様々な要因よって気分が変わってしまい、それによって評価が大きくブレるのです。

初訪問から気分良く過ごせれば問題ありませんが、初めて行ってちょっと満足できない点があったとしても、それはたまたまかもしれません。お店のせいではなく、自分のせいかもしれないのです。

最初は印象の悪かった飲食店が、2回目からガラリと評価が変わる可能性があるとわかっていても、支払いが2ケタを超えるような高額のお店になると、もう一度出かけるのには、とても勇気が要ります。

でも、どんな理由であれ、もし2度と行かなくなったお店の評価を1回だけの訪問だけで決めつけるのは控えるべきでしょう。ましてや、リーズナブルなランチに一度行っただけで、お店にあれこれと難癖つけるようなグルメサイトの匿名レビュアーは言語道断です。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年12月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。