一本350万円のウイスキーを購入した理由は「インフレ対策」

内藤 忍

シングルモルトジャパニーズウィスキー「白河」を一本350万円で購入することにしました。1958年物で、今は解体されてしまった白河蒸溜所で蒸留されたものです。

日本国内では約460万円で70本限定で販売され既に完売していますが、海外の特別なルートで割安に手に入れることができました。

一本350万円という金額はちょっと勇気が必要でしたが、購入の決め手は過去の経験からです。

数年前にサントリーが抽選で販売した山崎55年は販売価格300万円でした。こちらは応募者が殺到し、残念ながら100名の当選枠には入れず購入できませんでした。その後価格が高騰し、オークションでは今や1億円を超えています。

白河がそこまで価格が上がるとは思いませんが(上がったら嬉しいですw)、このようなオールドヴィンテージのウイスキーには、強い希少性が存在します。

シングルモルトウイスキーだけではありません。

先月購入したアンティークロレックストレーディングカードのような実物資産を次々に購入しています。

これらの購入の理由も希少性です。

しかし希少性だけではなく実物資産購入には別の理由も存在します。

それはインフレによる法定通貨の価値の下落です。マーケットに大量の法定通貨が流通すれば、その価値は相対的に低下する。そのような、通貨価値の下落によるインフレに備えるためには、貨幣を実物資産に交換するのが最大の資産防衛策になります。法定通貨を持つ恐怖心を感じているのです。

日本の財政状況の悪化は、軍事費増強の必要性からさらに加速してきます。増税も予定されているようですが、多くの国民は増税よりも前にやるべきことがあると考えています。内閣支持率を意識している政権は、結局中途半端な増税と国債発行によって財源を賄う選択肢を取らざるを得ません。

国債発行による財政赤字の拡大を最終的に解決する処方箋は「インフレ」しかないのです。

確かに実物資産には、流動性が低いという問題点はあります、しかし、それを補うほどの将来の経済環境の変化に対するメリットがあるのではないかと考えています。

中央銀行が発行する日本円、アメリカドルといった法定通貨の保有リスクに、今から対処すべきです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年12月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。