政府は、2023年度の公的年金の支給額改定で、給付を抑制する「マクロ経済スライド」を発動する検討に入りました。
給付は22年度の水準より増える見込みですが、物価上昇率には追いつかず実質的には目減りすることになりそうです。
Q マクロ経済スライドってなんですか?
A マクロ経済スライドは、平成16年の年金制度改正で導入されたもので、賃金や物価による年金額の改定率を調整して、緩やかに年金の給付水準を調整する仕組みのことです。(より詳しい説明は→日本年金機構HP)
収入面は、保険料の17年までの段階的な引き上げ、基礎年金財源に占める国庫負担割合の3分の1から2分の1への引き上げが決められています。
支出面は、年金給付水準の段階的な引き下げを図る仕組みとしてマクロ経済スライドが導入されました。これによって所得代替率は現在の60%台から約50%まで下落するそうです(所得代替率の定義も難しいものとなっています)。
■
「マクロ経済スライド」によって年金制度はもはや崩壊していると言う人もいます。
ただし、年金に限らず、医療もふくめ今後も現役世代の負担が増えていくのは明らかです。
給付抑制は年金財政の安定に欠かせません。ただし、問題はマクロ経済スライドが発動されても抑制されないのではないかと心配する声もあります。
下げるにも限界があるので、会社員が払う厚生年金の保険料や、国庫負担(税金、おそらくは現役世代の負担)で埋め合わせることになりそうで、けっきょくはマクロ経済スライドは骨抜きになってしまいそうです。
一方で、年金で生活できない膨大な貧困層が生まれ、社会保障制度は崩壊する可能性も出てきます。
現役世代(正規公務員除く)は雇用保険まで今年は上がってしまいました。
与党も野党も落ち着いて議論してほしいものです。
当たらない政府推計の中で人口動態は非常に高率で当たると言われています。わかっちゃいたけど手を打たなかったというところが実態でしょうか。