国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエヴァ専務理事は2023年には世界の3分の1が景気後退に陥るとの見方を示しています。
ゲオルギエヴァ氏は特に中国経済の停滞を懸念しており、この40年間で初めて中国が世界の経済成長を下回る可能性に言及しています。
一時は米国のGDPを抜くとの予測も出ていた中国ですが、今後経済の鈍化が著しくなることが予測されます。
中国経済は現在、コロナ感染者の急増とは別に、人口減少、住宅バブル、地方財政の破綻リスクなどといった構造的な問題にも直面しています。
2023年の中国関連の予測:1.(確信度中程度)経済は前年比5%以上の成長を遂げるが、根本的な構造問題(人口動態、住宅バブル、地方政府の債務、相対的に低い消費)はいずれも大きく改善されないだろう。
サプライチェーンリスクから、アップルなど中国依存が強かった外資系企業が脱中国化を図る動きも出ています。この傾向が続けば、海外からの投資で潤ってきた中国にとって打撃となります。
大国間政治について詳しいハル・ブランズ氏によると、中国の全盛期は終わりに近づいており、衰退期に入った国家ほど厄介な存在になると懸念しています。
「トゥキディデスの罠」のことは忘れよう。心配すべきは「権力のピーク時の罠」である。歴史上、修正主義的な国家は、その力がピークに達し、衰え始めると厄介なことになる、という記録が長い間残されている。中国は、多くの人が考えているよりも早く、そこに到達することになるだろう。
この数十年間で初めて世界は「成長しない」中国と向き合うことになりそうです。衰退期に入る中国への対応を誤って痛い目を見ることが無いようにしなければなりません。